再就職手当はもらわない方がいい?受給を見送るべき人の特徴と損しない選び方

「再就職手当をもらわない方がいいって聞いたけど、本当なの?」

転職活動中にこんな疑問を抱いた方は少なくないでしょう。

結論からお伝えすると、再就職手当は基本的に受給した方がお得です

ただし、あなたの状況によっては受給を見送った方が良いケースも存在します

この記事では、再就職手当を受け取るべきかどうかの判断基準から、具体的な金額シミュレーション、申請方法まで徹底解説します。

この記事でわかること
  • 再就職手当を「もらわない方がいい」と言われる本当の理由
  • 受給すべき人・見送るべき人の具体的な特徴
  • 失業保険と再就職手当、どちらが得かの金額シミュレーション
  • 申請手続きの流れと必要書類

読み終える頃には、あなたにとってベストな選択が明確になっているはずです

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目次

再就職手当はもらわない方がいい?結論は「基本的には受給すべき」

再就職手当を受け取るかどうか迷っている方に向けて、まず結論をお伝えします。

ほとんどの方にとって、再就職手当は受給した方がメリットが大きいです

なぜなら、早期に安定した収入を得ながら、まとまった金額を一括で受け取れるからです

再就職手当の受給判断まとめ
判断該当する人
受給すべき安定した就職先が決まった人、生活資金に余裕がない人
慎重に検討転職先の継続に不安がある人、じっくり転職活動したい人
見送り推奨残日数が少ない人、近いうちに再転職予定の人

ただし、全員に当てはまるわけではありません。

自分の状況を正しく把握して判断することが重要です

再就職手当は早期就職者への”ご褒美”制度

再就職手当とは、失業保険(基本手当)の受給資格を持つ人が、早期に再就職した場合に支給される手当のことです

簡単に言えば「早く仕事を見つけてくれてありがとう」という国からのインセンティブと考えてください。

この制度には、求職者が失業期間を長引かせることなく、スムーズに社会復帰できるよう促す狙いがあります。

再就職手当の特徴
項目内容
支給形態一括支給
課税非課税
支給率残日数の60%または70%
基本手当日額の上限(60歳未満)6,395円(2025年7月31日まで)
基本手当日額の上限(60〜64歳)5,170円(2025年7月31日まで)

失業保険の支給残日数が多いほど、受け取れる金額も増える仕組みになっています

つまり、早く就職を決めた人ほど得をする制度設計なのです

参考:ハローワークインターネットサービス「再就職手当のご案内」

受給した方がいい理由は経済的・キャリア的メリットが大きいから

再就職手当を受給すべき最大の理由は、トータルで見たときの経済的メリットが大きいからです

確かに、失業保険を最後まで受給した方が金額だけ見れば多くなります。

しかし、再就職手当+給与収入を合算すると、多くの場合は早期就職の方が総収入で上回ります

再就職手当を受給するメリット
  • まとまった資金を一括で受け取れるため、新生活の準備費用に充てられる
  • 非課税なので、受け取った金額がそのまま手元に残る
  • 就職によるブランク期間が短くなり、キャリア形成に有利
  • 精神的な安定を得られ、次のステップに集中できる

特に、引越し費用や通勤用の服・カバンの購入など、再就職には意外とお金がかかります

このタイミングでまとまったお金を受け取れることは、大きな安心材料になるでしょう。

ただし「もらわない方がいい」ケースも存在する

再就職手当は多くの人にとってメリットのある制度ですが、例外的に受給を見送った方が良いケースも存在します

たとえば、転職先での継続勤務に不安がある場合や、もっとじっくり転職活動を続けたい場合などです。

「もらわない方がいい」と言われる主な理由
  • 失業保険を満額受給した方が、単純な金額比較では多くなる
  • 短期で離職すると、次の失業保険を受け取れなくなるリスクがある
  • 3年間は再度の再就職手当を受け取れなくなる

これらのデメリットを踏まえた上で、自分にとって最適な選択をすることが大切です

次の章から、もらわないメリット・デメリットを詳しく解説していきます。

再就職手当をもらわないメリット3つ

再就職手当を受給しないことで得られるメリットも確かに存在します。

以下の3つのポイントを、自分の状況と照らし合わせて検討してみてください

再就職手当を受給しないメリット一覧
メリット内容
次回の選択肢を残せる3年以内の再転職時にも再就職手当を申請できる
セーフティネット確保短期離職でも前職の被保険者期間を活用できる可能性
自由な就活スケジュール待機期間を気にせず入社日を決められる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

次の離職時にも再就職手当を受け取る選択肢が残る

再就職手当には「3年ルール」と呼ばれる制限があります

一度受給すると、入社日を起算日として3年間は再度の申請ができなくなるのです

たとえば、2025年4月1日に入社して再就職手当を受け取った場合、2028年3月31日までは次の再就職手当を受給できません。

3年ルールのポイント
項目内容
起算日再就職手当を受給した際の入社日
制限期間3年間
対象再就職手当および常用就職支度手当

転職回数が多い業界で働いている方や、キャリアチェンジを検討している方は要注意です

今回の転職で再就職手当を受け取らなければ、次回の転職時に申請できる可能性を残せます。

短期離職しても失業保険を継続できる可能性がある

再就職手当を受給した後に短期間で離職すると、次の失業保険を受け取るためのハードルが上がります

新たに失業保険を受給するには、原則として12ヶ月以上の被保険者期間が必要になるからです

再就職手当を受け取らずに就職した場合の流れ
  • 前職の被保険者期間がリセットされずに残る
  • 万が一の短期離職時も、前職の期間と通算できる可能性がある
  • セーフティネットとしての失業保険を確保しやすい

ただし、これは「1年以内に離職した場合」という限定的なシナリオでのメリットです

長期的に働く予定の方には、あまり関係のない話かもしれません。

7日間の待機期間を気にせず就職活動ができる

失業保険や再就職手当を申請するには、受給手続き後に7日間の待機期間を経る必要があります

この期間中に就職が決まると、再就職手当の対象外となってしまうのです

再就職手当を最初から受け取るつもりがなければ、この待機期間を気にする必要がありません。

待機期間を気にしないメリット
  • 良い求人があればすぐに応募・入社できる
  • ハローワークへの報告手続きの手間が省ける
  • 転職活動のスケジュールを自由に組める

特に、退職前から転職活動を始めていて、すぐに内定が出そうな方には関係してくるポイントです

ただし、待機期間はわずか7日間なので、それほど大きな影響ではないとも言えます。

「再就職手当をもらわない方がいい」と言われる3つの背景

ネット上で「再就職手当はもらわない方がいい」という意見を見かけることがあります。

なぜそのような声があるのか、その背景を正しく理解しておきましょう

「もらわない方がいい」と言われる背景
理由詳細
金額面の損失業保険満額の方が単純計算では多い
短期離職リスク次の失業保険を受け取れなくなる可能性
3年ルール再度の再就職手当が受け取れない期間が発生

それぞれの理由について、詳しく解説していきます。

失業保険を満額受給した方が金額は大きくなるから

単純な金額比較だけで見ると、失業保険を満額受給した方が受け取れる総額は大きくなります

再就職手当は、失業保険の残日数に対して60%または70%しか支給されないためです

具体的な金額比較(例:基本手当日額5,000円、所定給付日数90日の場合)
パターン計算式受取額
失業保険を満額受給5,000円×90日450,000円
残日数60日で再就職(支給率70%)5,000円×60日×70%210,000円
残日数30日で再就職(支給率60%)5,000円×30日×60%90,000円

この数字だけを見ると、確かに失業保険を満額もらった方がお得に感じるでしょう。

しかし、この比較には「再就職後の給与収入」が含まれていない点に注意が必要です

短期離職すると次の失業保険がもらえなくなるリスクがあるから

再就職手当を受給した後にすぐ離職してしまうと、次の失業保険を受け取れない可能性があります

これは、新たに失業保険を受給するための被保険者期間(原則12ヶ月以上)をリセットしてしまうからです

短期離職時のリスク
  • 新しい職場での被保険者期間が12ヶ月未満だと、失業保険を受給できない
  • 再就職手当を受け取った場合、前職の被保険者期間は通算されない
  • 最悪の場合、収入が途絶える期間が生じる

特に、試用期間中の解雇リスクがある職場や、契約社員として入社する場合は慎重に検討すべきポイントです

転職先の安定性をよく見極めてから判断することをおすすめします。

3年間は再度の再就職手当を受け取れなくなるから

前述の通り、再就職手当には「3年ルール」が適用されます

入社日から3年間は、次の再就職手当を申請することができません

参考:厚生労働省「再就職手当について」

3年ルールが影響するケース
  • IT業界など、転職が活発な業界で働く人
  • スタートアップ企業への転職を考えている人
  • 数年以内に独立・起業を検討している人

このルールが気になる方は、「今回は見送って次回に取っておく」という選択肢もあり得ます

ただし、3年後の状況は誰にもわかりません。

「確実に受け取れる今」と「不確実な3年後」を天秤にかけて判断しましょう

再就職手当を受給しない方がいい人の5つの特徴

ここからは、再就職手当の受給を見送った方が良い可能性がある人の特徴を解説します。

以下のチェックリストで、あなた自身に当てはまる項目がないか確認してみてください

受給を見送るべき人チェックリスト
  • 転職先が1年以上続くか不安がある
  • もっと条件の良い企業をじっくり探したい
  • 失業保険の給付残日数がほとんど残っていない
  • 体調面に不安があり勤務継続に自信がない
  • 近いうちに再度転職する可能性がある

2つ以上当てはまる方は、慎重に検討することをおすすめします

転職先が1年以上続くか不安がある人

再就職手当の受給条件の一つに「1年を超えて雇用されることが確実と認められること」があります

この条件は形式的なものですが、実際に1年未満で離職すると、次の失業保険で不利になる可能性があります

1年以上の継続が不安なケース
  • 試用期間が3ヶ月以上と長い職場に入社する
  • 契約社員として入社し、更新が不透明
  • 会社の経営状況が不安定
  • 職場の人間関係や業務内容に不安がある

このような状況にある方は、再就職手当の受給を慎重に検討した方が良いかもしれません

ただし、再就職手当を受給した後に離職しても、返金義務はありません。

もっと条件の良い企業をじっくり探したい人

再就職手当の制度上、早く就職するほど多くの金額を受け取れます

しかし、この仕組みが「焦って就職先を決めてしまう」原因になることもあります

じっくり探した方が良いケース
  • まだ志望業界・職種が明確に定まっていない
  • 年収アップやキャリアアップを重視している
  • 複数の企業を比較検討したい
  • 面接の準備や自己分析に時間をかけたい

転職は人生の大きな転機です。

再就職手当の金額に惑わされず、本当に行きたい会社を選ぶことの方が長期的には重要でしょう

失業保険の給付残日数がほとんど残っていない人

再就職手当の受給条件として、所定給付日数の3分の1以上の残日数が必要です

残日数が少ないと、支給額が極端に小さくなってしまいます

残日数と支給額の関係(基本手当日額5,000円の場合)
残日数支給率支給額
60日(3分の2以上)70%210,000円
30日(3分の1以上)60%90,000円
29日以下対象外0円

残日数が30日程度しかない場合、受け取れる金額は10万円未満になることもあります

この程度の金額であれば、手続きの手間を考えると見送るという判断も合理的です。

体調面に不安があり勤務継続に自信がない人

健康上の理由で働き続けることに不安がある方も、再就職手当の受給は慎重に検討すべきです

万が一、体調を崩して早期退職することになった場合、次の失業保険を受け取れない可能性があるからです

体調面で考慮すべきポイント
  • 持病があり、通院しながら働く予定
  • 前職でストレスによる体調不良を経験した
  • 新しい環境への適応に時間がかかるタイプ
  • フルタイム勤務に対する体力的な不安

このような場合は、まず体調を整えてから転職活動を行うか、失業保険を受給しながら無理のないペースで就職先を探す方が良いかもしれません

健康は何よりも大切な資産です。

近いうちに再度転職する可能性がある人

数年以内に再度の転職を予定している方は、今回の再就職手当を見送ることで、次回の選択肢を残せます

3年ルールがあるため、頻繁に転職する予定の方は特に注意が必要です

再度の転職が想定されるケース
  • ステップアップのための「つなぎ転職」を計画している
  • 業界を変えるために、まず関連職種で経験を積む予定
  • 起業準備のために資金を貯めながら働く予定
  • 結婚・出産などのライフイベントで退職する可能性がある

ただし、将来の不確実な転職に備えて、確実に受け取れる今の再就職手当を諦めるのは、もったいない場合もあります

総合的に判断することが大切です。

再就職手当をもらった方がいい人の4つの特徴

次に、再就職手当を積極的に受給すべき人の特徴を解説します。

以下に当てはまる方は、迷わず申請することをおすすめします

受給すべき人チェックリスト
  • 早期に安定した就職先が見つかった
  • 生活費に余裕がなく早く現金が必要
  • キャリアの空白期間をできるだけ短くしたい
  • 給与収入と手当の合計で考えると得になる

1つでも当てはまれば、再就職手当の受給を前向きに検討しましょう

早期に安定した就職先が見つかった人

正社員や無期雇用の形態で、長期的に働ける職場が見つかった方は、再就職手当を受け取るべきです

1年以上の継続勤務が見込めるなら、短期離職のリスクを心配する必要はありません

安定した就職先の特徴
  • 正社員として採用された
  • 無期雇用契約を結んだ
  • 大手企業や安定した経営基盤を持つ会社
  • 自分のスキルや経験を活かせる仕事内容

このような条件が揃っているなら、再就職手当を受け取らない理由はほとんどありません

手続きを忘れずに行い、確実に受給しましょう。

生活費に余裕がなく早く現金が必要な人

失業中の生活資金に不安がある方にとって、再就職手当は大きな助けになります

まとまった金額を一括で受け取れるため、新生活の準備費用に充てることができます

再就職手当の活用例
  • 転職先への通勤用にスーツやカバンを購入する
  • 転職に伴う引越し費用に充てる
  • 資格取得やスキルアップの費用に使う
  • 生活費の補填として貯蓄を回復させる

特に、退職から再就職までの期間に貯蓄が減ってしまった方にとっては、心強い資金源となるでしょう

非課税で受け取れるため、金額がそのまま手元に残る点も大きなメリットです。

キャリアの空白期間をできるだけ短くしたい人

履歴書の空白期間が長くなると、将来の転職活動で不利になる可能性があります

再就職手当の制度は、早期就職を後押しする仕組みになっているため、ブランク期間の短縮にも役立ちます

空白期間が影響するケース
  • 管理職やマネージャーなど、責任あるポジションを目指している
  • 競争の激しい業界・職種への転職を考えている
  • 年齢が30代後半〜40代で、即戦力としての期待が高い
  • スキルの陳腐化が早い業界(ITなど)で働いている

キャリア形成の観点からも、早期に再就職を決めることには大きなメリットがあります

再就職手当は、その決断を経済的にサポートしてくれる制度なのです。

給与収入と手当の合計で考えると得になる人

再就職手当の金額だけでなく、再就職後の給与収入も合わせた「総収入」で考えることが重要です

多くの場合、早期に就職した方がトータルの収入は多くなります

総収入で比較する考え方
比較項目失業保険を満額受給早期再就職+再就職手当
期間3ヶ月間失業1ヶ月目から就職
失業保険450,000円0円
再就職手当0円210,000円
給与(月25万円×3ヶ月)0円750,000円
合計450,000円960,000円

※基本手当日額5,000円、所定給付日数90日、残日数60日で再就職した場合の例

この例では、早期再就職の方が51万円以上も総収入が多くなっています

自分のケースでシミュレーションしてみることをおすすめします。

再就職手当と失業保険はどちらが得?具体的な金額で比較

「結局、どちらが得なの?」という疑問に、具体的な数字で答えていきます

以下の比較表を参考に、自分の状況に近いケースを確認してください。

失業保険と再就職手当の比較(基本手当日額5,000円、所定給付日数90日の場合)
項目失業保険満額受給残日数60日で再就職残日数30日で再就職
失業保険450,000円150,000円300,000円
再就職手当0円210,000円90,000円
給与(3ヶ月)0円750,000円250,000円
総収入450,000円1,110,000円640,000円

総収入で見ると、早期再就職の方が圧倒的に有利であることがわかります

失業保険を満額受給した場合の受取額

まずは、失業保険(基本手当)を満額受給した場合の金額を確認しましょう

失業保険の総額は「基本手当日額×所定給付日数」で計算されます

失業保険の計算式
  • 賃金日額を算出:退職前6ヶ月の賃金総額÷180
  • 基本手当日額を算出:賃金日額×給付率(50〜80%)
  • 総額を算出:基本手当日額×所定給付日数
所定給付日数の目安(自己都合退職の場合)
被保険者期間所定給付日数
10年未満90日
10年以上20年未満120日
20年以上150日

参考:ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」

たとえば、基本手当日額が5,000円で所定給付日数が90日の場合、満額受給で45万円を受け取れます

再就職手当+給与収入を合算した場合の受取額

次に、早期再就職した場合の総収入を計算してみましょう

再就職手当の計算式は「基本手当日額×支給残日数×支給率(60%または70%)」です

再就職手当の支給率
残日数の条件支給率
所定給付日数の3分の2以上70%
所定給付日数の3分の1以上60%

早期再就職のメリットを最大化するには、できるだけ早く就職を決めることがポイントです

残日数が多いほど、再就職手当の金額も大きくなります。

ケース別シミュレーション

具体的な数字で3つのケースをシミュレーションしてみましょう

前提条件
  • 基本手当日額:5,000円
  • 所定給付日数:90日
  • 再就職後の月給:25万円(手取り約20万円)
ケース1:残日数60日で再就職(3分の2以上残し)
項目金額
再就職手当5,000円×60日×70%=210,000円
給与(2ヶ月分)500,000円
3ヶ月間の総収入710,000円
失業保険満額との差額+260,000円
ケース2:残日数30日で再就職(3分の1以上残し)
項目金額
再就職手当5,000円×30日×60%=90,000円
給与(1ヶ月分)250,000円
3ヶ月間の総収入340,000円+失業保険2ヶ月分300,000円=640,000円
失業保険満額との差額+190,000円
ケース3:失業保険を満額受給
項目金額
失業保険(90日分)5,000円×90日=450,000円
給与0円
3ヶ月間の総収入450,000円

このシミュレーションからわかる通り、多くの場合は早期再就職の方がトータル収入で有利になります


再就職手当を受け取るための条件と支給額の計算方法

再就職手当を確実に受け取るために、受給条件と計算方法を正確に理解しておきましょう

条件を一つでも満たさないと、せっかくの手当が受け取れなくなってしまいます

申請手続きの概要
項目内容
受給条件8つの条件をすべて満たすこと
計算式基本手当日額×支給残日数×支給率
支給率残日数3分の2以上で70%、3分の1以上で60%
申請期限就職日の翌日から原則1ヶ月以内
振込時期申請から約1〜2ヶ月後

それぞれ詳しく解説していきます。

再就職手当の8つの受給条件

再就職手当を受け取るには、以下の8つの条件をすべて満たす必要があります

再就職手当の受給条件チェックリスト
  • 7日間の待機期間を経過した後に就職していること
  • 基本手当の残日数が所定給付日数の3分の1以上あること
  • 1年を超えて雇用されることが確実と認められること
  • 雇用保険の被保険者となる形態で就職すること
  • 離職した前の事業主に再び就職したものでないこと
  • 前職と資本・人事面で密接な関係にある会社への就職でないこと
  • 過去3年以内に再就職手当または常用就職支度手当を受給していないこと
  • 受給資格決定前から採用が内定していた事業主への就職でないこと

自己都合退職の場合は、追加で以下の条件も必要です

待機期間満了後1ヶ月間は、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介による就職であること

参考:厚生労働省「再就職手当について」

支給額の計算式と上限額

再就職手当の支給額は、以下の計算式で算出されます

再就職手当の支給額 = 基本手当日額 × 支給残日数 × 支給率(60%または70%)

ただし、基本手当日額には年齢別の上限額が設定されています

基本手当日額の上限額(2025年7月31日まで)
離職時の年齢上限額
60歳未満6,395円
60歳以上65歳未満5,170円

この上限額は、毎年8月1日に「毎月勤労統計」の平均給与額に基づいて改定されます。

申請時には最新の上限額を確認するようにしましょう

支給されないケースに該当しないかチェック

受給条件を満たしているつもりでも、意外な理由で支給されないケースがあります

以下に該当しないか、必ず確認してください

再就職手当が支給されない主なケース
  • 退職した会社への出戻り就職
  • 退職した会社のグループ会社・関連会社への就職
  • 過去3年以内に再就職手当を受給済み
  • 待機期間中(7日間以内)に就職が決まった
  • 受給資格決定前から内定していた会社への就職
  • 短期のアルバイトや日雇いの仕事(1年以上の雇用見込みなし)

特に、グループ会社への転職は見落としがちなので注意が必要です

心配な場合は、事前にハローワークで確認しておくと安心です。

再就職手当をもらうか迷った時の判断フローチャート

「自分の場合はどうすればいいの?」という方のために、判断のフローチャートを用意しました

順番に確認していくことで、最適な選択が見えてきます

判断フローチャート
STEP確認内容YESNO
1転職先で1年以上働ける見込みがある?STEP2へ受給を慎重に検討
2給付残日数が3分の1以上ある?STEP3へ受給対象外
3総収入で計算すると早期就職が得?受給がおすすめSTEP4へ
4判断に迷うハローワークに相談

各STEPを詳しく見ていきましょう。

STEP1:転職先で1年以上働ける見込みがあるか

まず最初に確認すべきは、転職先での継続勤務の見込みです

以下の点をチェックしてみてください。

確認すべきポイント
  • 雇用形態は正社員または無期雇用契約か
  • 試用期間の長さと条件はどうなっているか
  • 会社の経営状況は安定しているか
  • 自分のスキルや適性と仕事内容はマッチしているか

これらに不安がある場合は、再就職手当の受給を慎重に検討した方が良いでしょう

逆に、すべてクリアしているなら、次のステップに進みます。

STEP2:給付残日数はどのくらいあるか

次に、失業保険の支給残日数を確認します

残日数によって、再就職手当の支給率と金額が大きく変わります

残日数による判断基準
残日数の状況支給率判断の目安
所定給付日数の3分の2以上70%受給がおすすめ
所定給付日数の3分の1以上60%状況に応じて判断
所定給付日数の3分の1未満対象外受給できない

残日数が多いほど再就職手当のメリットは大きくなります

逆に、残日数がギリギリの場合は、金額が少なくなるため、手続きの手間と天秤にかけて判断しましょう。

STEP3:生活費の余裕と総収入を試算する

具体的な金額でシミュレーションを行い、どちらが得か計算してみましょう

以下の項目を書き出して比較すると、判断がしやすくなります

シミュレーションに必要な情報
  • 基本手当日額(雇用保険受給資格者証に記載)
  • 所定給付日数
  • 現在の支給残日数
  • 再就職先の月給(手取り)
  • 再就職までにかかる期間の予想

自分で計算が難しい場合は、ハローワークの窓口で相談すると、具体的な金額を教えてもらえます

STEP4:判断に迷ったらハローワークに相談

ここまで確認しても判断に迷う場合は、ハローワークの窓口に相談することをおすすめします

専門の職員が、あなたの状況に合わせたアドバイスをしてくれます

ハローワークで相談すべきこと
  • 自分が再就職手当の受給条件を満たしているか
  • 具体的な支給額はいくらになるか
  • 今後の転職活動でおすすめの進め方
  • 再就職先に不安がある場合の対処法

相談は無料で、予約なしでも対応してもらえることが多いです

迷ったら一人で悩まず、専門家の意見を聞いてみましょう。

再就職手当の申請手続きと必要書類

再就職手当の申請手続きは、それほど複雑ではありません

必要書類と流れを把握しておけば、スムーズに手続きできます

申請手続きの概要
項目内容
必要書類採用証明書、再就職手当支給申請書、雇用保険受給資格者証
申請期限就職日の翌日から原則1ヶ月以内
申請先管轄のハローワーク
振込時期申請から約1〜2ヶ月後

詳しく見ていきましょう。

申請に必要な3つの書類

再就職手当の申請には、以下の3つの書類が必要です

必要書類一覧
書類名入手先備考
採用証明書再就職先の会社入社日・雇用形態などを記載
再就職手当支給申請書ハローワーク就職の報告時に受け取る
雇用保険受給資格者証ハローワーク失業保険の手続き時に受け取り済み

採用証明書は、再就職先の人事担当者に記入してもらう必要があります

入社前または入社直後に依頼しておくと、手続きがスムーズです

申請から振込までの流れと期間

再就職手当の申請から振込までの流れは以下の通りです

STEP
再就職が決まったらハローワークに報告(就職日の前日まで)
STEP
「再就職手当支給申請書」と「採用証明書」を受け取る
STEP
再就職先で「採用証明書」に記入してもらう
STEP
就職日の翌日から1ヶ月以内に申請書類を提出
STEP
ハローワークで審査(約1〜2ヶ月)
STEP
指定口座に振込

申請期限は「就職日の翌日から原則1ヶ月以内」です

この期限を過ぎると原則として受け取れなくなるため、必ず早めに手続きを済ませましょう

給付金に関するよくある質問

最後に、再就職手当や失業保険に関するよくある質問にお答えします

よくある質問一覧
質問回答の要点
振込が1ヶ月以上されない書類不備や審査混雑の可能性あり、ハローワークに問い合わせ
手取り20万円でいくらもらえる?基本手当日額約5,500円、再就職手当は約20〜25万円程度
入金が遅れる理由は?書類不備、繁忙期、口座情報の誤りなど
申請から何日で振り込まれる?通常3週間〜2ヶ月程度

それぞれ詳しく解説します。

給付金の申請をしたのに1ヶ月以上振り込まれないのですが?

再就職手当の振込が遅れている場合、いくつかの原因が考えられます

振込が遅れる主な原因
  • 申請書類に不備があり、追加確認が必要になっている
  • ハローワークの審査が混み合っている時期
  • 再就職先への在籍確認に時間がかかっている
  • 振込先口座の情報に誤りがある

対処法としては、まずハローワークに電話で問い合わせてみることをおすすめします

申請から2ヶ月以上経過しても振込がない場合は、何らかの問題が発生している可能性が高いです

手取り20万円の場合、給付金はいくらもらえますか?

手取り20万円の場合、額面月給はおおよそ25〜27万円程度と推定されます

この場合の失業保険と再就職手当の目安を計算してみましょう

手取り20万円の場合の目安
項目計算・金額
推定額面月給約26万円
賃金日額約8,667円(26万円×6ヶ月÷180)
基本手当日額約5,500円〜6,000円
失業保険(90日の場合)約495,000円〜540,000円
再就職手当(残60日・70%の場合)約231,000円〜252,000円

これはあくまで概算です。

正確な金額は、退職前6ヶ月間の実際の賃金に基づいて計算されます

給付金の入金が遅れる主な理由は何ですか?

給付金の入金が遅れる理由として、主に以下のようなケースがあります

入金が遅れる主な理由
  • 書類の記入漏れや誤りがある
  • 添付書類が不足している
  • 再就職先への在籍確認が取れない
  • 年度末や大型連休前後で審査が混み合っている
  • 口座情報(銀行名・支店名・口座番号)に誤りがある

入金が遅れている場合は、管轄のハローワークに問い合わせて状況を確認しましょう

書類に不備がある場合は、早めに修正・再提出することで、振込を早められる可能性があります

給付金は申請から何日後に振り込まれますか?

再就職手当の場合、申請から振込までの期間はおおよそ1ヶ月〜2ヶ月程度が目安です

振込までの期間の目安
状況期間
通常時約3週間〜1ヶ月半
繁忙期(3〜4月、9〜10月など)約1ヶ月半〜2ヶ月
書類不備がある場合さらに1〜2週間追加
早めに受け取るためのポイント
  • 書類は丁寧に、漏れなく記入する
  • 採用証明書は入社後すぐに会社に依頼する
  • 申請期限ギリギリではなく、早めに提出する
  • 振込先口座情報を正確に記入する

これらを意識することで、比較的スムーズに手当を受け取ることができます

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