病気やケガで仕事を休むことになったとき、収入がどうなるのか不安に感じる方は多いのではないでしょうか。
傷病手当金は、そんな不安を和らげてくれる健康保険の制度です。
しかし「自分はいくらもらえるの?」「計算方法がよくわからない」という声をよく耳にします。
この記事では、月収別・年収別の早見表を使って、あなたの傷病手当金の目安額がひと目でわかるようにまとめました。
初めて傷病手当金について調べる方でも理解できるよう、できるだけ噛み砕いて解説していきます。
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傷病手当金の金額早見表【月収別】
傷病手当金の金額は、あなたの「標準報酬月額」をもとに計算されます。
標準報酬月額とは、毎月の給与を一定の等級に当てはめた金額のことで、社会保険料の計算にも使われています。
ざっくり言うと、傷病手当金は「月給の約3分の2」が目安です。
ただし実際には残業代や通勤手当も含めた金額がベースになるため、基本給だけで判断すると想定より多くなるケースもあります。
以下の早見表で、あなたの月収(額面)に近い金額を探してみてください。
月収15万円〜25万円の方の支給額早見表
この収入帯は、パートタイムで社会保険に加入している方や、新入社員の方などが該当します。
| 報酬月額の範囲 | 標準報酬月額 | 日額(目安) | 月額目安(30日分) |
|---|---|---|---|
| 15万円〜17万円未満 | 16万円 | 3,556円 | 約10.7万円 |
| 17万円〜19万円未満 | 18万円 | 4,000円 | 約12.0万円 |
| 19万円〜21万円未満 | 20万円 | 4,444円 | 約13.3万円 |
| 21万円〜23万円未満 | 22万円 | 4,889円 | 約14.7万円 |
| 23万円〜25万円未満 | 24万円 | 5,333円 | 約16.0万円 |
日額は「標準報酬月額÷30日×2/3」で計算しています。
実際の支給では1円未満の端数処理が行われるため、多少の誤差が生じる場合があります。
月収26万円〜40万円の方の支給額早見表
正社員として働く方の多くがこの収入帯に当てはまります。
中堅社員や管理職手前の方も、残業代を含めるとこの範囲に入ることが多いでしょう。
| 報酬月額の範囲 | 標準報酬月額 | 日額(目安) | 月額目安(30日分) |
|---|---|---|---|
| 25万円〜27万円未満 | 26万円 | 5,778円 | 約17.3万円 |
| 27万円〜29万円未満 | 28万円 | 6,222円 | 約18.7万円 |
| 29万円〜31万円未満 | 30万円 | 6,667円 | 約20.0万円 |
| 31万円〜33万円未満 | 32万円 | 7,111円 | 約21.3万円 |
| 33万円〜35万円未満 | 34万円 | 7,556円 | 約22.7万円 |
| 35万円〜37万円未満 | 36万円 | 8,000円 | 約24.0万円 |
| 37万円〜39.5万円未満 | 38万円 | 8,444円 | 約25.3万円 |
| 39.5万円〜42.5万円未満 | 41万円 | 9,111円 | 約27.3万円 |
標準報酬月額30万円の場合、1日あたり約6,667円の支給となります。
月額にすると約20万円で、休業前の給与のおよそ3分の2になっていることがわかります。
月収41万円以上の方の支給額早見表
管理職や専門職、勤続年数の長い方などが該当する収入帯です。
高収入になるほど傷病手当金の月額も増えますが、標準報酬月額には上限があることに注意が必要です。
| 報酬月額の範囲 | 標準報酬月額 | 日額(目安) | 月額目安(30日分) |
|---|---|---|---|
| 42.5万円〜45.5万円未満 | 44万円 | 9,778円 | 約29.3万円 |
| 45.5万円〜48.5万円未満 | 47万円 | 10,444円 | 約31.3万円 |
| 48.5万円〜51.5万円未満 | 50万円 | 11,111円 | 約33.3万円 |
| 51.5万円〜54.5万円未満 | 53万円 | 11,778円 | 約35.3万円 |
| 60.5万円〜63.5万円未満 | 62万円 | 13,778円 | 約41.3万円 |
| 93.5万円〜101.5万円未満 | 98万円 | 21,778円 | 約65.3万円 |
| 135.5万円以上 | 139万円(上限) | 30,889円 | 約92.7万円 |
健康保険の標準報酬月額は、2024年時点で最高50等級の139万円が上限です。
そのため、月収が139万円を超える方でも、傷病手当金の計算上は139万円として扱われます。
つまり、傷病手当金の1日あたり支給額は最大で約30,889円となります。
年収から傷病手当金を調べたい方向け早見表
「月収よりも年収で把握している」という方のために、年収ベースの早見表も用意しました。
年収を12で割った金額を月収として、およその支給額を確認できます。
ただしボーナスの割合が大きい方は、月収ベースの表を参照した方が正確です。
傷病手当金の計算には賞与は含まれず、あくまで毎月の報酬のみが対象となるためです。
年収240万円〜400万円の受給額目安
年収300万円前後は、若手社員や中小企業で働く方に多い収入帯です。
| 年収(目安) | 月収換算 | 標準報酬月額 | 日額(目安) | 月額目安(30日分) |
|---|---|---|---|---|
| 240万円 | 20万円 | 20万円 | 4,444円 | 約13.3万円 |
| 300万円 | 25万円 | 26万円 | 5,778円 | 約17.3万円 |
| 350万円 | 約29万円 | 30万円 | 6,667円 | 約20.0万円 |
| 400万円 | 約33万円 | 34万円 | 7,556円 | 約22.7万円 |
年収300万円の方であれば、傷病手当金は月額で約17万円程度が目安となります。
休業前の手取りとほぼ同等か、やや少ない金額と感じる方が多いでしょう。
年収400万円〜600万円の受給額目安
中堅社員や専門職の方が多く該当する収入帯です。
この年収帯では、傷病手当金だけで生活費をまかなえるケースも増えてきます。
| 年収(目安) | 月収換算 | 標準報酬月額 | 日額(目安) | 月額目安(30日分) |
|---|---|---|---|---|
| 450万円 | 約37.5万円 | 38万円 | 8,444円 | 約25.3万円 |
| 500万円 | 約42万円 | 41万円 | 9,111円 | 約27.3万円 |
| 550万円 | 約46万円 | 47万円 | 10,444円 | 約31.3万円 |
| 600万円 | 50万円 | 50万円 | 11,111円 | 約33.3万円 |
年収500万円の場合、傷病手当金は月額約27万円が目安です。
ここからさらに社会保険料や住民税の支払いがあることを念頭に置いておきましょう。
年収600万円以上の受給額目安
管理職や役員クラスの方が該当する収入帯です。
傷病手当金の金額も大きくなりますが、標準報酬月額の上限によって頭打ちになる点に注意が必要です。
| 年収(目安) | 月収換算 | 標準報酬月額 | 日額(目安) | 月額目安(30日分) |
|---|---|---|---|---|
| 700万円 | 約58万円 | 56万円 | 12,444円 | 約37.3万円 |
| 800万円 | 約67万円 | 68万円 | 15,111円 | 約45.3万円 |
| 1,000万円 | 約83万円 | 83万円 | 18,444円 | 約55.3万円 |
| 1,200万円以上 | 100万円以上 | 139万円(上限) | 30,889円 | 約92.7万円 |
年収1,200万円を超える方でも、傷病手当金は月額約92.7万円が上限となります。
高収入の方ほど、傷病手当金だけでは生活水準を維持するのが難しくなる傾向があります。
傷病手当金の計算方法をわかりやすく解説
早見表でおおよその金額がわかったところで、実際の計算方法についても確認しておきましょう。
計算式を理解しておくと、自分でより正確な金額を算出できるようになります。
また、会社の人事担当者から説明を受けたときにも、スムーズに理解できるはずです。
1日あたりの支給額を求める計算式
傷病手当金の1日あたりの支給額は、次の計算式で求めます。
支給開始日以前の継続した12ヵ月間の各月の標準報酬月額を平均した額 ÷ 30日 × 2/3
具体例で見てみましょう。
過去12ヵ月の標準報酬月額がすべて30万円だった場合の計算は以下のとおりです。
- 標準報酬月額の平均:30万円
- 30万円 ÷ 30日 = 10,000円(標準報酬日額)
- 10,000円 × 2/3 = 6,667円(1日あたりの支給額)
この計算から、傷病手当金は標準報酬月額の約3分の2が支給されることがわかります。
なお、計算の途中で1円未満の端数が出た場合は四捨五入されます。
標準報酬月額とは?確認する方法
標準報酬月額は、健康保険料の計算をわかりやすくするために設けられた基準額です。
実際の給与額を50の等級に区分し、それぞれの等級に対応する金額が標準報酬月額となります。
- 基本給
- 残業手当(時間外手当)
- 通勤手当
- 住宅手当
- 役職手当
- その他各種手当
- 賞与(ボーナス)
- 結婚祝い金などの臨時的な報酬
- 出張旅費などの実費弁償
自分の標準報酬月額を確認する方法はいくつかあります。
- 給与明細の「健康保険料」から逆算する
- 会社の人事・総務担当者に問い合わせる
- 年金事務所で「被保険者記録照会」を依頼する
- ねんきんネットで確認する
最も手軽なのは、給与明細を確認することです。
健康保険料の金額と協会けんぽの保険料額表を照らし合わせると、自分の等級がわかります。
入社1年未満の場合の計算ルール
傷病手当金の支給開始日以前に、健康保険の加入期間が12ヵ月に満たない場合は、特別なルールが適用されます。
次の2つの金額を比較して、低い方を計算に使用します。
- 支給開始日の属する月以前の継続した各月の標準報酬月額の平均額
- 加入している健康保険の全被保険者の標準報酬月額の平均額
協会けんぽの場合、2の金額は令和6年度で約32万円となっています。
たとえば、入社6ヵ月で標準報酬月額が40万円の方の場合を考えてみましょう。
- 自分の標準報酬月額の平均:40万円
- 全被保険者の平均額:32万円
この場合、低い方の32万円を使って計算することになります。
つまり、1日あたりの支給額は32万円÷30日×2/3=約7,111円です。
入社直後の方は、想定より支給額が少なくなる可能性があることを覚えておきましょう。
【シミュレーション】休職期間別の受給総額
傷病手当金がいくらもらえるかは、休職期間の長さによって大きく変わります。
ここでは、標準報酬月額30万円の方を例に、休職期間ごとの総支給額を試算してみます。
実際にどのくらいの金額になるのか、イメージをつかんでおきましょう。
1ヶ月休職した場合の支給額
標準報酬月額30万円の方が、1ヶ月(30日間)休職した場合のシミュレーションです。
ただし、傷病手当金には「待期期間」という制度があり、連続して3日間休んだ後の4日目から支給が始まります。
- 標準報酬月額:30万円
- 1日あたりの支給額:6,667円
- 休職期間:30日間
- 待期期間:3日間(この期間は支給なし)
- 実際の支給日数:30日 − 3日 = 27日
- 支給総額:6,667円 × 27日 = 約18万円
1ヶ月の休職で約18万円の傷病手当金を受け取れる計算になります。
普段の手取り給与と比べると少なく感じるかもしれませんが、収入がゼロになることは避けられます。
3ヶ月休職した場合の支給額
療養が長引いて3ヶ月間休職することになった場合のシミュレーションです。
- 標準報酬月額:30万円
- 1日あたりの支給額:6,667円
- 休職期間:90日間
- 待期期間:3日間(最初の1回のみ)
- 実際の支給日数:90日 − 3日 = 87日
- 支給総額:6,667円 × 87日 = 約58万円
3ヶ月の休職で約58万円、月平均にすると約19万円強の支給となります。
入院費用や治療費がかかる中でも、生活の基盤を維持するための大きな助けになるでしょう。
6ヶ月〜1年6ヶ月(最長)休職した場合の支給額
傷病手当金は、同一の病気やケガに対して通算1年6ヶ月(約547日)まで受給できます。
長期療養が必要な場合の支給総額を確認しておきましょう。
| 休職期間 | 支給日数 | 支給総額(目安) |
|---|---|---|
| 6ヶ月(180日) | 177日 | 約118万円 |
| 1年(365日) | 362日 | 約241万円 |
| 1年6ヶ月(547日) | 544日 | 約363万円 |
※標準報酬月額30万円、待期期間3日で計算
最長の1年6ヶ月まで受給した場合、総額で約360万円以上の傷病手当金を受け取ることができます。
なお、2022年1月からは支給期間の計算方法が変わり、出勤して傷病手当金が支給されなかった日は期間にカウントされなくなりました。
これにより、途中で復職と再休職を繰り返しても、通算で1年6ヶ月分の受給が可能になっています。
傷病手当金の支給額が調整・減額されるケース
傷病手当金は、他の給付と重複して受け取れない場合があります。
二重取りを防ぐための調整ルールが設けられているためです。
自分がどのケースに該当するのか、事前に確認しておくことをおすすめします。
休職中に給与が出ている場合
休職中でも会社から給与が支払われる場合、傷病手当金は調整されます。
調整のルールは以下のとおりです。
- 給与の日額が傷病手当金の日額以上の場合:傷病手当金は支給されない
- 給与の日額が傷病手当金の日額より少ない場合:差額分が支給される
たとえば、傷病手当金の日額が6,667円で、会社からの給与日額が3,000円の場合を考えてみましょう。
この場合、6,667円 − 3,000円 = 3,667円が傷病手当金として支給されます。
つまり、給与と傷病手当金の合計額が本来の傷病手当金と同額になるよう調整される仕組みです。
有給休暇を使って休んだ日も給与が支払われるため、傷病手当金は支給されません。
障害年金や老齢年金を受け取っている場合
障害厚生年金または障害手当金を受け取っている方も、傷病手当金が調整されます。
- 障害厚生年金の日額(年額÷360)が傷病手当金の日額以上:傷病手当金は不支給
- 障害厚生年金の日額が傷病手当金の日額より少ない:差額分が支給
同様に、老齢退職年金を受給している場合も調整の対象となります。
年金の日額と傷病手当金の日額を比較し、傷病手当金の方が多ければ差額分が支給されます。
具体的な調整額は個人によって異なるため、健康保険組合や協会けんぽに確認するのが確実です。
出産手当金や労災保険の給付と重なる場合
出産手当金と傷病手当金は同時に受給することができません。
両方の受給要件を満たす場合は、出産手当金が優先して支給されます。
ただし、出産手当金の日額が傷病手当金の日額より少ない場合は、差額分が傷病手当金として支給されます。
また、業務上の病気やケガで労災保険から休業補償給付を受けている(受けていた)場合も調整の対象です。
| 重複する給付 | 調整内容 |
|---|---|
| 会社からの給与 | 差額支給(給与が少ない場合) |
| 障害厚生年金 | 差額支給(年金の日額が少ない場合) |
| 老齢退職年金 | 差額支給(年金の日額が少ない場合) |
| 出産手当金 | 出産手当金が優先(差額は支給あり) |
| 労災の休業補償 | 差額支給(休業補償が少ない場合) |
複数の給付を受け取れる状況にある方は、どの給付が優先されるのか事前に確認しておきましょう。
パート・アルバイト・派遣社員の傷病手当金早見表
「正社員じゃないともらえないのでは?」と思われがちですが、条件を満たせば非正規雇用の方も傷病手当金を受け取れます。
ポイントは健康保険(協会けんぽや健康保険組合)に加入しているかどうかです。
ここでは、短時間勤務者が傷病手当金を受給するための条件と、支給額の目安を解説します。
短時間勤務者が受給するための条件
パート・アルバイト・派遣社員の方が傷病手当金を受け取るには、まず健康保険に加入している必要があります。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 月額賃金が8.8万円以上
- 2ヶ月を超える雇用見込みがある
- 学生ではない
- 従業員51人以上の企業で働いている
上記の条件を満たして健康保険に加入していれば、傷病手当金の受給資格があります。
国民健康保険に加入している方(配偶者の扶養に入っている方など)は、残念ながら傷病手当金の対象外です。
- 業務外の事由による病気やケガで療養中であること
- 仕事に就くことができない状態であること
- 連続する3日間を含み、4日以上仕事を休んでいること
- 休職期間中に給与が支払われていないこと
この4つの条件は、正社員でもパートでも同じです。
医師の診断書などで「労務不能」と認められれば、雇用形態に関係なく申請できます。
パート・派遣向け支給額早見表
短時間勤務で収入が比較的少ない方向けの早見表です。
月収8万円〜15万円程度の方が該当する標準報酬月額の目安をまとめました。
| 報酬月額の範囲 | 標準報酬月額 | 日額(目安) | 月額目安(30日分) |
|---|---|---|---|
| 6.3万円未満 | 5.8万円 | 1,289円 | 約3.9万円 |
| 6.3万円〜7.3万円未満 | 6.8万円 | 1,511円 | 約4.5万円 |
| 7.3万円〜8.3万円未満 | 7.8万円 | 1,733円 | 約5.2万円 |
| 8.3万円〜9.3万円未満 | 8.8万円 | 1,956円 | 約5.9万円 |
| 9.3万円〜10.1万円未満 | 9.8万円 | 2,178円 | 約6.5万円 |
| 10.1万円〜10.7万円未満 | 10.4万円 | 2,311円 | 約6.9万円 |
| 10.7万円〜11.4万円未満 | 11万円 | 2,444円 | 約7.3万円 |
| 11.4万円〜12.2万円未満 | 11.8万円 | 2,622円 | 約7.9万円 |
| 12.2万円〜13万円未満 | 12.6万円 | 2,800円 | 約8.4万円 |
| 13万円〜14万円未満 | 13.4万円 | 2,978円 | 約8.9万円 |
| 14万円〜15万円未満 | 14.2万円 | 3,156円 | 約9.5万円 |
週3〜4日勤務で月収10万円程度のパートの方であれば、月額約6〜7万円の傷病手当金が目安となります。
金額は決して多くありませんが、収入がゼロになることを防げるのは大きなメリットです。
傷病手当金を受給中に知っておくべきお金の話
傷病手当金を受け取れることがわかっても、それだけで安心するのは早いかもしれません。
休職中でも支払いが続くお金があるからです。
ここでは、傷病手当金を受給しながら生活していく上で知っておきたいお金の話をまとめます。
受給中も支払いが続く社会保険料と住民税
傷病手当金は非課税のため、所得税はかかりません。
しかし、以下の支払いは休職中も続きます。
- 健康保険料
- 厚生年金保険料
- 介護保険料(40歳以上の場合)
- 住民税
社会保険料については、会社に在籍している限り支払い義務があります。
通常は給与から天引きされますが、休職中は給与が出ないため、会社に振り込むなどの方法で支払うことになります。
住民税は前年の所得に対して課税されるため、休職前に収入があった方は納付が必要です。
たとえば2024年に休職した場合、2023年の所得に基づいた住民税を2024年6月から支払うことになります。
傷病手当金の実質的な手取りは、これらの支払いを差し引いた金額です。
標準報酬月額30万円の方であれば、傷病手当金は約20万円ですが、そこから社会保険料や住民税で月4〜5万円程度が出ていく計算になります。
傷病手当金だけでは足りないときの対処法
傷病手当金だけでは生活費が足りない場合、以下の制度や方法を検討してみましょう。
- 高額療養費制度:医療費の自己負担に上限が設けられる
- 限度額適用認定証:窓口での支払いを自己負担限度額までに抑えられる
- 住居確保給付金:家賃の支払いを支援してもらえる(収入要件あり)
- 国民年金保険料の免除申請:支払いが困難な場合に免除・猶予が受けられる
- 緊急小口資金:社会福祉協議会による無利子の貸付制度
これらの制度は併用できる場合も多いため、住んでいる自治体の窓口で相談してみることをおすすめします。
また、民間の医療保険や就業不能保険に加入している方は、そちらからの給付金も確認しましょう。
傷病手当金と民間保険の給付金は別々に受け取ることができるため、両方を活用すれば経済的な不安を軽減できます。
退職後も傷病手当金はもらえる?継続受給の条件
病気やケガの療養中に退職することになった場合、その後も傷病手当金を受け取れるのか気になる方は多いでしょう。
結論から言うと、一定の条件を満たせば退職後も傷病手当金を受給し続けることが可能です。
ここでは、継続受給のための条件と注意点を解説します。
退職後に継続して受給するための2つの条件
退職後も傷病手当金を受け取るには、次の2つの条件を両方とも満たす必要があります。
- 退職日までに継続して1年以上健康保険に加入していたこと
- 退職日に傷病手当金を受給中または受給できる状態であったこと
1つ目の条件について、転職で保険者が変わっても問題ありません。
たとえば、前の会社で協会けんぽに10ヵ月加入し、今の会社の健康保険組合に3ヵ月加入していれば、合計1年1ヵ月となり条件を満たします。
ただし、加入期間に1日でも空白があると「継続して」の条件を満たさなくなるため注意が必要です。
2つ目の条件は、退職日時点で労務不能の状態が続いていることを意味します。
退職日に注意すべきポイント
退職日当日の過ごし方によっては、継続受給の権利を失ってしまうことがあります。
退職日に出勤してしまうと「退職日に労務不能ではなかった」と判断され、退職後の傷病手当金を受給できなくなります。
これは、挨拶や引き継ぎのために数時間だけ出社した場合でも同様です。
- 退職日は必ず労務不能の状態で休むこと
- 引き継ぎは退職日より前に済ませておくこと
- 有給休暇を使って退職日を休むのはOK(ただし傷病手当金はその日は不支給)
「最後だから挨拶に行きたい」という気持ちはわかりますが、継続受給を優先するなら退職日の出勤は避けましょう。
国民健康保険に切り替えた後の金額は変わる?
退職後は健康保険の資格を喪失するため、国民健康保険に加入するか、任意継続被保険者になるかを選ぶことになります。
ここで気になるのが、保険の種類が変わると傷病手当金の金額も変わるのかという点です。
結論として、退職後の傷病手当金の金額は変わりません。
- 支給元は退職前に加入していた健康保険(協会けんぽや健康保険組合)
- 金額は退職時の標準報酬月額に基づいて計算される
- 国民健康保険には傷病手当金の制度がないが、退職前からの継続受給には影響しない
つまり、退職後に国民健康保険に切り替えても、傷病手当金は引き続き元の健康保険から支給されます。
任意継続被保険者を選んだ場合も同様で、傷病手当金の金額が上がることはありません。
ちなみに、国民健康保険には原則として傷病手当金の制度がないため、退職後に新たに病気になった場合は受給できません。
傷病手当金に関するよくある質問
傷病手当金について調べていると、細かい疑問がいくつも出てくるものです。
ここでは、特に多く寄せられる質問とその回答をまとめました。
手取り19万円だと傷病手当金はいくら受け取れる?
手取り19万円の場合、額面(総支給額)はおよそ23万円〜25万円程度と推測されます。
社会保険料や税金で約4〜6万円が差し引かれているためです。
額面月収24万円と仮定した場合の傷病手当金を計算してみましょう。
- 標準報酬月額:24万円(報酬月額23万円〜25万円未満の場合)
- 1日あたりの支給額:24万円 ÷ 30日 × 2/3 ≒ 5,333円
- 30日間の支給額:5,333円 × 30日 ≒ 16万円
手取り19万円の方であれば、傷病手当金は月額約16万円が目安となります。
普段の手取りよりは少なくなりますが、社会保険料の支払いなどを考えると実質的な差は縮まります。
傷病手当金は基本給と手取りどちらで計算される?
傷病手当金は「基本給」でも「手取り」でもなく、「標準報酬月額」をもとに計算されます。
標準報酬月額には、基本給に加えて以下の手当も含まれます。
- 基本給
- 残業手当
- 通勤手当
- 住宅手当
- 役職手当
- 家族手当
- その他の固定的な手当
そのため、基本給だけで考えるよりも傷病手当金が多くなるケースがほとんどです。
たとえば、基本給20万円、残業手当3万円、通勤手当1万円の方であれば、標準報酬月額は24万円として計算されます。
自分の正確な標準報酬月額を知りたい場合は、給与明細の健康保険料から逆算するか、会社の担当者に確認してみてください。
傷病手当金が思ったより少ない場合はどうすればいい?
実際に傷病手当金を受給してみたら、想定より少なかったという声は少なくありません。
- 直近12ヵ月の中で給与が下がった月があった
- 入社1年未満で全被保険者の平均額が適用された
- 産休・育休明けで標準報酬月額が下がっていた
- 調整(給与支給や年金受給など)により減額されていた
これらの理由で傷病手当金が少ない場合でも、計算自体が間違っているわけではありません。
- 国民年金保険料の免除申請を検討する
- 住居確保給付金の利用を自治体に相談する
- 社会福祉協議会の緊急小口資金を利用する
- 民間の医療保険・就業不能保険の給付金を請求する
- 高額療養費制度で医療費の負担を軽減する
複数の制度を組み合わせることで、経済的な不安を軽減できます。
一人で抱え込まず、自治体の窓口や社会保険労務士などに相談してみましょう。
傷病手当金から税金は差し引かれる?
傷病手当金は全額非課税です。
所得税も住民税も課税されないため、確定申告や年末調整で申告する必要もありません。
ただし、注意点が一つあります。
- 所得税:かからない
- 住民税:かからない(ただし前年の所得に対する住民税は支払いが必要)
- 社会保険上の扱い:「収入」としてカウントされる場合がある
最後の点について補足すると、扶養の判定などでは傷病手当金が「収入」として扱われることがあります。
たとえば、配偶者の健康保険の扶養に入りたい場合、傷病手当金の年額が130万円を超えると扶養に入れない可能性があります。
傷病手当金は非課税でも、社会保険上は収入としてカウントされる場合があることを覚えておきましょう。
傷病手当金は、病気やケガで働けなくなったときの心強い味方です。
この記事の早見表や計算方法を参考に、ご自身の受給額の目安を把握しておきましょう。
もし申請方法や退職後の手続きでお困りのことがあれば、専門家への相談もご検討ください。

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