「扶養に入りながら失業保険を受給したらバレるのかな…」
「扶養のまま失業保険をもらう方法はないの?」
「バレたらどんなペナルティがあるの?」
退職後に配偶者の扶養に入りながら失業保険も受給したいと考える方は多いですが、間違った方法で受給すると後から発覚し、医療費の返還や保険料の追納を求められるリスクがあります。
結論から言うと、扶養に入りながら失業保険を受給すること自体は条件次第で可能です。
ただし、基本手当日額が一定額を超える場合は扶養から外れる必要があり、これを怠ると高確率でバレてしまいます。
本記事では、扶養に入りながら失業保険を受給できる条件、バレる仕組み、正しい手続き方法について詳しく解説します。
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扶養に入りながら失業保険を受給するとバレる?【結論】
扶養に入りながら失業保険を受給できるかどうかは、あなたの「基本手当日額」によって決まります。
この日額が一定の基準を超えている場合、扶養に入ったまま失業保険を受給することは認められていません。
もし基準を超えた状態で扶養を継続してしまうと、健康保険組合の定期調査やマイナンバーを通じた情報連携によって、ほぼ確実に発覚します。
一方で、基本手当日額が基準以下であれば、扶養のまま失業保険を受給できるケースもあります。
この記事で解説する正しい条件を理解すれば、扶養と失業保険を上手に活用することが可能です。
ポイントをまとめると以下のとおりです。
- 基本手当日額が3,612円以上(60歳未満)の場合、扶養に入りながらの受給は認められない
- 健康保険組合は毎年被扶養者調査を実施しており、収入状況を確認している
- マイナンバー法に基づく情報連携により、各自治体の収入情報が照会される仕組みがある
- 日額が3,611円以下であれば扶養を継続したまま受給できる可能性がある
正しい知識を身につけることで、不要なトラブルを避けながら最適な選択ができるようになります。
扶養には2種類ある|社会保険上と税法上の違い
「扶養」という言葉は日常的によく使われますが、実は2つの異なる制度が存在します。
失業保険との関係を正しく理解するためには、まずこの違いを把握しておくことが重要です。
それぞれの扶養制度には異なる収入基準があり、どちらに該当するかによって対応も変わってきます。
社会保険上の扶養とは
社会保険上の扶養とは、健康保険や国民年金における被扶養者制度のことを指します。
配偶者の勤務先の健康保険に被扶養者として加入できれば、自分自身で保険料を支払う必要がなくなります。
厚生労働省の通知に基づき、被扶養者として認定されるためには収入要件を満たす必要があります。
| 対象者 | 年収基準 |
|---|---|
| 60歳未満の方 | 年収130万円未満 |
| 60歳以上または障害者の方 | 年収180万円未満 |
この年収は「将来に向かって得られるであろうと推定される見込み額」で判断されるため、実際に受け取った総額ではなく、受給中の日額をベースに年収換算して判定されます。
扶養に入ると保険料の支払いが不要になるため、家計にとって大きなメリットがあります。
税法上の扶養とは
税法上の扶養は、所得税や住民税の計算において適用される控除制度です。
納税者が一定の収入以下の配偶者や親族を扶養している場合、扶養控除や配偶者控除を受けることができます。
2025年度の税制改正により、扶養親族の合計所得金額要件が48万円以下から58万円以下に引き上げられました。
同一生計配偶者及び扶養親族の合計所得金額要件を58万円以下(現行:48万円以下)に引き上げる。
出典:国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」
これにより、給与収入のみの場合は年収123万円以下であれば税法上の扶養に該当することになります。
従来の「103万円の壁」が「123万円の壁」へと引き上げられたことで、より多くの収入を得ながら扶養控除を受けられるようになりました。
失業保険で問題になるのは「社会保険上の扶養」
失業保険(雇用保険の基本手当)を受給する際に注意すべきなのは、主に社会保険上の扶養です。
失業保険は所得税法上の非課税所得であるため、税法上の扶養には基本的に影響しません。
しかし、社会保険上の扶養判定においては、失業保険も収入として扱われます。
ここで重要なのは、判定方法が「受け取った総額」ではなく「基本手当日額」をベースにした年収換算だという点です。
具体的には、基本手当日額を360日分として計算し、年収130万円を超えるかどうかで判断されます。
計算式
年収換算額 = 基本手当日額 × 360日
たとえば、所定給付日数が90日しかない場合でも、日額が3,612円以上であれば年収換算で130万円を超えるため、受給期間中は扶養から外れる必要があります。
扶養に入りながら失業保険を受給できる条件とは
失業保険を受給しながら扶養を継続できるかどうかは、基本手当日額によって明確に判断されます。
この基準を正しく理解しておくことで、扶養から外れる必要があるのか、そのまま継続できるのかを事前に把握できます。
基本手当日額で扶養に入れるかが決まる
健康保険の被扶養者認定において、失業保険の収入判定は基本手当日額を基準に行われます。
年収130万円未満という基準を日額に換算すると、以下のようになります。
| 対象者 | 基本手当日額の基準 |
|---|---|
| 60歳未満の方 | 3,611円以下 |
| 60歳以上または障害者の方 | 4,999円以下 |
この金額は、130万円÷360日≒3,611円、180万円÷360日≒5,000円という計算から導き出されています。
受給する雇用保険の基本手当日額が3,611円(60歳以上は5,000円)以下であれば雇用保険受給期間中も含めて扶養家族になることができます。
出典:東京エレクトロン健康保険組合「よくある質問」
基本手当日額が3,612円以上(60歳未満の場合)になると、たとえ受給総額が130万円に届かなくても、受給期間中は扶養から外れなければなりません。
自分の基本手当日額を確認する方法
基本手当日額は、離職前6ヶ月間の給与をもとに計算されます。
具体的には、離職前6ヶ月の賃金合計(ボーナスを除く)を180で割った「賃金日額」に、50〜80%の給付率を掛けて算出されます。
計算式
賃金日額 = 退職前6ヶ月の賃金合計 ÷ 180
基本手当日額 = 賃金日額 × 給付率(50〜80%)
正確な基本手当日額を知るには、ハローワークで失業保険の受給手続きを行った際に交付される「雇用保険受給資格者証」を確認してください。
この書類には基本手当日額が明記されており、扶養継続の可否を判断する際の根拠となります。
手続き前に概算を知りたい場合は、直近6ヶ月の給与明細を確認し、上記の計算式で目安を把握しておくとよいでしょう。
【目安】月給別・扶養に入れるかの早見表
離職前の月給から、扶養を継続できるかどうかの目安を表にまとめました。
あくまで概算ですが、自分がどの範囲に該当するか確認してみてください。
| 離職前の月給(総支給) | 基本手当日額(目安) | 60歳未満の扶養継続 |
|---|---|---|
| 約10万円以下 | 約2,600円程度 | ○ 可能 |
| 約12万円 | 約3,200円程度 | ○ 可能 |
| 約14万円 | 約3,700円程度 | × 不可 |
| 約18万円以上 | 約4,500円以上 | × 不可 |
月給が約13万円前後の方は境界線付近にあるため、正確な金額は受給資格者証で必ず確認してください。
また、給付率は年齢や賃金日額によって異なるため、実際の日額は上記と多少異なる場合があります。
扶養に入りながら失業保険をもらえる3つのタイミング
失業保険の受給と扶養の関係は、受給のタイミングによって異なります。
上手に活用すれば、扶養のメリットを享受しながら失業保険も受け取ることが可能です。
失業保険の受給開始前(待機期間・給付制限期間中)
失業保険には、退職後すぐに受給できない期間が設けられています。
この期間中はまだ失業保険を受け取っていないため、扶養に入ることが可能です。
受給開始前の期間は以下のとおりです。
- 全員共通:7日間の待機期間
- 自己都合退職の場合:待機期間後に原則2ヶ月の給付制限期間
自己都合退職の場合、待機期間7日間に加えて給付制限期間があるため、その間は扶養に入ることができます。
会社都合退職の場合は待機期間の7日間のみで給付制限がないため、扶養に入れる期間は短くなります。
この期間を活用して一時的に扶養に入り、受給開始のタイミングで扶養を外すという方法を取る方も多いです。
失業保険の受給中(基本手当日額が基準以下の場合)
基本手当日額が3,611円以下(60歳未満)であれば、失業保険を受給中であっても扶養を継続できます。
これは、日額をベースに年収換算しても130万円未満に収まるためです。
受給資格者証で自分の基本手当日額を確認し、基準以下であることを確かめてから手続きを進めましょう。
ただし、加入している健康保険組合によって細かな運用が異なる場合があります。
念のため、配偶者の勤務先を通じて健康保険組合に確認しておくと安心です。
失業保険の受給終了後
失業保険の受給が終了すれば、失業保険による収入がなくなります。
他に収入がなければ扶養の収入要件を満たすことになるため、再び扶養に入ることが可能です。
扶養への再加入手続きは、最後の認定日の翌日から行うことができます。
配偶者の勤務先に必要書類を確認し、速やかに手続きを進めましょう。
扶養に入りながら失業保険を受給するとなぜバレる?
「黙っていればバレないのでは?」と考える方もいるかもしれませんが、現在の制度では不正はほぼ確実に発覚します。
その主な理由を3つ解説します。
健康保険組合の被扶養者調査で発覚する
健康保険組合は、厚生労働省の指導に基づき毎年「被扶養者資格確認調査」を実施しています。
この調査では、被扶養者が認定要件を満たしているかどうかを確認するため、収入証明書や課税証明書の提出が求められます。
健康保険組合は、健康保険法施行規則第50条及び厚生労働省通知等により、認定後も定期的に扶養状況の確認を行うこととなっています。
出典:日本自動車部品工業健康保険組合「被扶養者資格の再確認に関するQ&A」
提出された書類と実際の収入状況に矛盾があれば、扶養資格の喪失が判明します。
調査は多くの健康保険組合で6月〜9月頃に実施されており、対象者には事業所経由で通知が届きます。
マイナンバーによる情報連携で発覚する
マイナンバー制度の導入により、行政機関間で収入情報を共有できる仕組みが整備されています。
健康保険組合は、マイナンバーを利用した情報連携によって、各自治体から被扶養者の住民税情報や年金情報を取得することが可能です。
マイナンバー法に基づく情報連携により、令和元年7月より健保から各自治体へ加入者の住民税情報や年金情報の取得が可能となりました。
出典:ブリヂストン健康保険組合「扶養家族確認調査について」
つまり、自己申告しなくても収入情報が照合されるリスクがあります。
以前に比べて隠し通すことは非常に難しくなっているのが現状です。
配偶者の年末調整・確定申告時に発覚する
配偶者が年末調整や確定申告を行う際にも、扶養状況の確認が行われます。
扶養控除の申告内容と実際の収入状況に矛盾があった場合、税務署から問い合わせが来ることがあります。
また、企業によっては年末調整時に被扶養者の収入証明を求めるケースもあり、そこで発覚する可能性もあります。
いずれにしても、虚偽の申告は遅かれ早かれ発覚するリスクが高いため、正しい手続きを行うことが重要です。
扶養に入りながら失業保険を受給してバレた場合のリスク
扶養資格がない状態で扶養に入っていたことが発覚した場合、さまざまなペナルティが生じます。
具体的にどのようなリスクがあるのか、事前に把握しておきましょう。
医療費の返還請求(7割分)
扶養資格がなかった期間に健康保険を使って医療機関を受診していた場合、保険適用分の医療費を返還しなければなりません。
通常、医療費は3割の自己負担で済んでいますが、残りの7割分を健康保険組合に返す必要があります。
これは、扶養資格がなかった期間は本来保険の適用対象外だったためです。
遡及して請求されるため、受診回数が多かった場合は高額になることもあります。
入院や手術などがあった場合、返還額が数十万円に上るケースも珍しくありません。
国民健康保険料・国民年金の追納
扶養から外れていた期間は、本来であれば国民健康保険と国民年金に加入している必要がありました。
そのため、遡って保険料を納付しなければなりません。
国民健康保険料は自治体によって異なりますが、月額1万円〜3万円程度かかることが多いです。
国民年金保険料は2025年度で月額17,510円となっています。
これらを数ヶ月分まとめて支払うとなると、かなりの負担になります。
さらに、納付が遅れた場合は延滞金が発生するケースもあるため注意が必要です。
配偶者の勤務先への影響
扶養に入る際には、配偶者の勤務先を通じて健康保険組合に届け出を行っています。
後から扶養資格がなかったことが判明すると、虚偽申告とみなされる可能性があります。
配偶者の会社での信用問題につながるリスクがあり、場合によっては人事評価に影響することも考えられます。
家族だけでなく配偶者にも迷惑をかけることになるため、正しい手続きを行うことが大切です。
扶養に入りながら失業保険を受給できない場合の選択肢
基本手当日額が基準を超えており、扶養に入れない場合はどうすればよいのでしょうか。
主に2つの選択肢があります。
国民健康保険に加入する
扶養に入れない場合、最も一般的な選択肢は国民健康保険への加入です。
市区町村の窓口で手続きを行い、退職後14日以内に届け出をする必要があります。
会社都合退職の場合は、国民健康保険料の軽減制度を利用できる可能性があります。
この制度では、前年の給与所得を100分の30として計算するため、保険料が大幅に軽減されます。
軽減制度の対象となる条件は以下のとおりです。
- 雇用保険の特定受給資格者(会社都合退職)または特定理由離職者
- 離職日時点で65歳未満
- 雇用保険受給資格者証の離職理由コードが対象に該当すること
該当する場合は、受給資格者証を持って市区町村の窓口で手続きを行いましょう。
任意継続被保険者制度を利用する
退職前に加入していた健康保険を、任意で継続する制度もあります。
最長2年間継続でき、退職日の翌日から20日以内に手続きを行う必要があります。
任意継続の場合、保険料は全額自己負担となりますが、会社員時代と同じ保険給付を受けられます。
また、被扶養者がいる場合は家族も引き続き加入できるため、扶養家族が多い方にはメリットがあります。
どちらがお得かは保険料を比較して判断する
国民健康保険と任意継続、どちらが有利かはケースバイケースです。
一般的に以下のような傾向があります。
| 項目 | 国民健康保険 | 任意継続 |
|---|---|---|
| 保険料計算 | 前年所得・世帯人数による | 退職時の標準報酬月額による |
| 扶養家族 | 人数に応じて保険料増加 | 扶養家族も追加保険料なし |
| 軽減制度 | 会社都合退職で利用可能 | なし |
扶養家族が多い場合は任意継続が有利になることが多く、単身の場合は国民健康保険が有利になることもあります。
正確な保険料は市区町村や健康保険組合に問い合わせて比較検討してください。
扶養に入りながら失業保険を受給していた場合の対処法
「すでに扶養に入った状態で失業保険を受給してしまった」という場合でも、早急に対処すれば被害を最小限に抑えられます。
適切な対応手順を解説します。
気づいた時点ですぐに届け出る
まずは速やかに配偶者の勤務先を通じて健康保険組合に連絡してください。
扶養資格喪失届を提出し、正しい手続きを行う意思があることを伝えましょう。
自己申告で発覚した場合と、調査で発覚した場合では、健康保険組合の対応が異なることがあります。
早めに正直に申告することで、誠意ある対応として受け止めてもらえる可能性が高まります。
医療費の返還手続きを行う
扶養資格がなかった期間に医療機関を受診していた場合は、医療費の返還が必要です。
健康保険組合から返還額の計算と支払い方法について連絡がありますので、指示に従って手続きを進めてください。
返還額が高額になった場合、分割払いに対応してもらえるケースもあります。
一括での支払いが難しい場合は、相談してみることをおすすめします。
国民健康保険・国民年金への切り替え
扶養から外れていた期間について、国民健康保険と国民年金への遡及加入手続きが必要です。
市区町村役場で手続きを行い、未納分の保険料を納付してください。
国民健康保険に遡及加入することで、返還した医療費の7割分について、国民健康保険から療養費として支給を受けられる場合があります。
この手続きを行えば、実質的な負担は保険料の差額程度で済むケースもあります。
扶養に入りながら失業保険を受給する際のよくある質問
最後に、よく寄せられる質問とその回答をまとめました。
Q. 扶養に入りながら失業保険をもらうとバレますか?
基本手当日額が基準を超えている状態で扶養に入っていると、ほぼ確実にバレます。
健康保険組合は毎年被扶養者調査を実施しており、マイナンバーを通じた情報連携によって収入状況が照会される仕組みがあるためです。
発覚した場合は医療費の返還や保険料の追納を求められるため、正しい手続きを行うことが重要です。
Q. 扶養に入ったまま失業保険をもらうことはできますか?
基本手当日額が3,611円以下(60歳未満の場合)であれば、扶養に入りながら受給できる可能性があります。
ハローワークで交付される受給資格者証で自分の日額を確認してください。
ただし、健康保険組合によって細かな運用が異なる場合もあるため、事前に確認しておくと安心です。
Q. 扶養に入りながら受給できる失業保険の金額はいくらですか?
年収換算で130万円未満(日額3,611円以下)が目安です。
60歳以上または障害者の方は180万円未満(日額4,999円以下)となります。
加入している健康保険組合によって基準が異なる場合もあるため、正確な情報は配偶者の勤務先を通じて確認することをおすすめします。
Q. 扶養に入ると失業保険はもらえなくなりますか?
いいえ、扶養に入っても失業保険はもらえます。
ただし、基本手当日額が基準を超える場合は、受給期間中のみ扶養から外れる必要があります。
失業保険の受給が終了すれば、他に収入がなければ再び扶養に入ることが可能です。
給付制限期間中や受給終了後に扶養に入るタイミングを工夫することで、扶養と失業保険を上手に活用できます。
専門家にご相談ください。

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