休職したら終わり?「辞めろ」と言われるのが不安な方へ|判断基準と対処法を解説

「休職したら終わりなのでは…」「休職を申し出たら退職しろと言われるのでは…」

こうした不安から、体調を崩しても無理して働き続けている方は少なくありません。

結論からお伝えすると、休職したからといって終わりではありません

休職は労働者に認められた正当な権利であり、適切に活用すれば復職も十分に可能です

本記事では、休職に対する不安を解消し、自分にとって最適な判断ができるよう、法的な権利から具体的な対処法まで詳しく解説していきます

目次

「休職したら終わり」は本当か?退職する必要があるのか解説

「休職したら会社に居づらくなる」「復帰しても評価が下がるのでは」と心配する方は多いです。

しかし、休職制度は働く人を守るためのものであり、正しく理解すれば必要以上に恐れることはありません

ここでは、休職の法的な位置づけや、会社側の対応について詳しく見ていきましょう。

休職は労働者に認められた法的な権利

休職制度は、法律で義務付けられた制度ではありません。

しかし、多くの企業が就業規則で休職制度を設けており、要件を満たせば休職を取得する権利があります

独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によると、病気休職の場合に休職期間の上限を「2年まで」と定めている企業が全体の75%にのぼります

参考:独立行政法人労働政策研究・研修機構「メンタルヘルス、私傷病などの治療と職業生活の両立支援に関する調査」

就業規則に基づく休職制度の基本的な仕組みは以下のとおりです。

項目内容
対象者正社員が中心(企業により非正規も対象)
休職期間一般的に3ヶ月〜3年程度
休職中の給与原則として無給
復職条件医師の診断書と会社の復職判定

また、休職を理由に解雇されることは原則としてありません

労働契約法第16条では、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない解雇は無効とされています

つまり、「休職したから」という理由だけで解雇することはできないのです

会社が休職にどう対応するか、その背景にある理由

会社が休職に対して消極的な姿勢を見せることがあります。

その背景には、さまざまな事情があることを理解しておきましょう

会社側が懸念する主なポイントは次のとおりです。

会社側の主な懸念事項
  • 人手不足による業務への影響
  • 休職者の代替要員の確保が難しい
  • 休職期間中も社会保険料の負担が続く
  • いつ復職できるか見通しが立たない

一方で、従業員の健康を第一に考え、積極的に休職を勧める企業も増えています

厚生労働省の「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」では、企業に対して復職支援プログラムの策定を推奨しています

参考:厚生労働省「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」

会社の本音としては、優秀な人材を失いたくないという思いがあります

そのため、無理に退職を迫るよりも、休職制度を活用して復帰してもらいたいと考える企業も少なくありません。

「退職しろ」と言われやすい状況とは

残念ながら、すべての企業が休職に理解があるわけではありません。

「休職するなら辞めてほしい」と言われやすい状況には、以下のようなケースがあります

退職を迫られやすいケース
  • 中小企業やベンチャー企業で人員に余裕がない
  • 休職期間の上限に近づいても復職の見込みが立たない
  • 就業規則に休職制度の規定がない、または期間が短い
  • 業績悪化などで人員削減を検討している

ただし、こうした状況であっても、退職を強要することは違法です

労働契約法第16条では、解雇権濫用法理が定められており、客観的に合理的な理由を欠く解雇は無効とされています

また、退職強要は民法第709条の不法行為に該当し、損害賠償の対象となる可能性があります

退職勧奨(お願い)と退職強要の違いを正しく理解しておきましょう。

区分内容違法性
退職勧奨会社からのお願い・提案原則として合法
退職強要労働者の意思を無視した強制違法

休職したら終わり?よくある疑問と不安への回答

休職を検討している方からは、さまざまな疑問や不安の声が寄せられます。

ここでは、特に多い質問について一つずつ丁寧に回答していきます

会社が休職を認めてくれない場合は違法?

会社に休職を申し出たものの、認めてもらえないケースがあります。

これが違法かどうかは、就業規則の内容と状況によって判断が分かれます

まず確認すべきは、自社の就業規則に休職制度の規定があるかどうかです

就業規則の確認方法は以下のとおりです。

就業規則の確認方法
  • 社内イントラネットや共有フォルダで閲覧する
  • 人事部門や総務部門に直接確認する
  • 労働条件通知書や雇用契約書を確認する

就業規則に休職制度の規定がある場合、要件を満たしているにもかかわらず休職を認めないことは、労働基準法第15条に違反する可能性があります

医師の診断書があれば、より休職が認められやすくなります

診断書には「就労不能」「療養が必要」といった記載があると効果的です。

認めてもらえないときの対処法は以下のステップで進めましょう。

休職を認めてもらえない場合の対処法
  1. 就業規則の休職要件を確認する
  2. 医師の診断書を取得する
  3. 書面で正式に休職を申請する
  4. 拒否された場合は労働基準監督署に相談する

参考:厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」

休職後にちゃんと職場復帰できるのか

「休職しても復帰できるのか」という不安は、多くの方が抱えています。

実際のデータを見てみましょう

厚生労働省の令和5年「労働安全衛生調査」によると、メンタルヘルス不調により連続1ヶ月以上休業した労働者がいた事業所の割合は10.4%です

参考:厚生労働省「令和5年 労働安全衛生調査(実態調査)」

一方、復職後の再休職率については注意が必要です

厚生労働省の研究班による調査では、メンタルヘルス不調による休職者の復職後5年以内の再発率は約5割に達するとされています

復帰時に感じやすい不安とその解消法は以下のとおりです。

不安の内容解消法
仕事についていけるか段階的な業務復帰プランを立てる
周囲の目が気になる上司や人事と事前に情報共有の範囲を決める
また体調を崩すのでは定期的な通院と無理のないペースを心がける

スムーズに復職するためのポイントは、焦らずに段階的に復帰することです

多くの企業では、時短勤務から始めて徐々に通常勤務に戻すプログラムを用意しています

休職中の給料やお金はどうなる?

休職中の経済的な不安は、多くの方が抱える深刻な問題です

基本的なルールを理解しておきましょう。

休職中は原則として給与が支給されません

これは「ノーワーク・ノーペイの原則」に基づくもので、労務の提供がない場合は賃金支払い義務が生じないためです。

ただし、健康保険に加入している方は「傷病手当金」を受給できます

傷病手当金の概要は以下のとおりです。

項目内容
支給額標準報酬日額の約3分の2
支給期間通算して最長1年6ヶ月
待期期間連続3日間の休業が必要
対象者健康保険の被保険者

参考:全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」

傷病手当金を受給するための条件は次の4つです

傷病手当金の受給条件
  • 業務外の事由による病気やケガの療養であること
  • 仕事に就くことができない状態であること
  • 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けないこと
  • 休業期間について給与の支払いがないこと

経済的な不安を軽減するためには、休職前に生活費を計算し、傷病手当金でどれくらいカバーできるかを確認しておくことが大切です

休職と退職、どちらを選ぶべきか

休職と退職のどちらを選ぶかは、状況によって異なります

それぞれのメリット・デメリットを比較してみましょう。

休職のメリット・デメリット

メリットデメリット
会社に籍を残したまま療養できる収入が大幅に減少する
傷病手当金を受給できる職場での立場や評価に影響する可能性
復職という選択肢を残せる復帰へのプレッシャーを感じやすい
社会保険が継続される休職期間に上限がある

退職のメリット・デメリット

メリットデメリット
職場のストレスから完全に解放される収入が途絶える
療養に専念できる健康保険の切り替えが必要
新しいキャリアを考えられるブランク期間ができる

判断に迷ったときは「復職したいかどうか」を軸に考えましょう

今の職場に戻りたい気持ちがあるなら休職を選び、環境を変えたいなら退職を検討するのが基本的な考え方です

「休職するなら辞めろ」は違法?言われたらどうする?

「休職するなら辞めてほしい」と言われた場合、それが違法かどうかは発言の内容と状況によります

退職強要にあたるケースは以下のとおりです

退職強要にあたるケース
  • 「辞めないと解雇する」と脅される
  • 長時間にわたり繰り返し退職を迫られる
  • 退職届を無理やり書かされる
  • 退職以外の選択肢がないと明言される

労働契約法第16条では、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない解雇は、権利を濫用したものとして無効とされています

参考:e-Gov法令検索「労働契約法」

このような状況に遭遇したら、証拠を残すことが重要です

証拠として有効なものは以下のとおりです。

証拠として有効なもの
  • 会話の録音データ
  • メールやチャットの履歴
  • 発言内容と日時を記録したメモ
  • 第三者の証言

相談できる窓口には次のようなものがあります

相談できる窓口
  • 労働基準監督署
  • 総合労働相談コーナー(厚生労働省)
  • 弁護士(労働問題専門)
  • 労働組合・ユニオン

休職時に「退職しろ」と言われた場合の具体的な対処法

実際に「辞めろ」と言われてしまった場合、どう対処すればよいのでしょうか。

焦らず、適切な手順で対応することが大切です

弁護士や労働問題の専門家に相談する

退職強要を受けた場合、まず専門家に相談することをおすすめします

弁護士に相談するメリットは、法的な見解を得られることと、必要に応じて代理人として交渉してもらえることです

無料で相談できる窓口には以下のようなものがあります。

相談先特徴
法テラス経済的に余裕がない方向けの無料相談
弁護士会の法律相談初回30分無料の事務所も多い
労働局の総合労働相談コーナー予約不要で無料相談可能

参考:法テラス「無料の法律相談を受けたい」

相談前に準備しておくべきことは以下のとおりです

相談前の準備事項
  • 事実関係を時系列でまとめたメモ
  • 会社とのやり取りの記録(録音、メール等)
  • 就業規則や雇用契約書のコピー
  • 医師の診断書

労働組合やユニオンに相談する

会社に労働組合がない場合でも、外部の労働組合(ユニオン)に相談できます

ユニオンは、会社との団体交渉を代行してくれるため、個人で対応するより有利に進められることがあります

ユニオンに相談するメリットは次のとおりです

ユニオンに相談するメリット
  • 費用が弁護士より安い場合が多い
  • 団体交渉権があり、会社は交渉に応じる義務がある
  • 同じ悩みを持つ仲間がいる

主な相談先としては、各地域のユニオンや、業種別のユニオンがあります。

インターネットで「〇〇(地域名) ユニオン」と検索すると、近くの組合が見つかります

人事部門と冷静に話し合う

いきなり外部に相談する前に、社内で解決できる可能性も探りましょう

人事部門との話し合いでは、感情的にならず事実ベースで伝えることが重要です

話し合いの際に押さえるべきポイントは以下のとおりです。

話し合いのポイント
  • 就業規則の休職規定を根拠に説明する
  • 医師の診断書を提示する
  • 復職の意思があることを明確に伝える
  • 会話の内容を記録しておく

また、可能であれば第三者(産業医や社外の相談員など)を同席させることで、より公正な話し合いができます


休職することのメリットとデメリットを整理

休職を決断する前に、メリットとデメリットを改めて整理しておきましょう。

客観的に比較することで、より良い判断ができます

休職するメリット

休職には、以下のような大きなメリットがあります

会社に籍を残したまま療養できる

退職してしまうと、再就職活動から始めなければなりません。

休職であれば、回復後にそのまま同じ職場に戻ることができます

傷病手当金を受給できる

健康保険から標準報酬日額の約3分の2が支給されます

これは最長1年6ヶ月間受け取ることができ、療養中の生活を支えてくれます。

復職という選択肢を残せる

休職中に転職を考えることもできますし、元の職場に戻ることもできます。

選択肢を広く持てることは、精神的な安心感にもつながります

その他のメリット
  • 社会保険(健康保険・厚生年金)が継続される
  • 退職金の算定に影響しない場合が多い
  • 会社の福利厚生を一部利用できることがある

休職するデメリット

一方で、休職には以下のようなデメリットもあります

収入が減少する

傷病手当金は給与の約3分の2であり、収入は大幅に減少します

また、傷病手当金は非課税ですが、休職中も社会保険料や住民税の支払いは続きます

職場での立場や評価への影響

残念ながら、休職したことで評価が下がったり、昇進が遅れたりするケースもあります

ただし、これは企業の風土や個人の状況によって大きく異なります。

復帰へのプレッシャー

「早く復帰しなければ」というプレッシャーを感じやすくなります。

これが精神的な負担となり、回復を遅らせてしまうこともあります

休職のメリット・デメリット比較表

観点メリットデメリット
経済面傷病手当金を受給できる収入は約3分の2に減少
キャリア復職の選択肢を残せる評価に影響する可能性
精神面療養に専念できる復帰へのプレッシャー
保険社会保険が継続保険料の支払いは継続

「休職したら終わり」という不安を和らげるためにできること

休職への不安を抱えている方は、一人で抱え込まないでください

不安を和らげるためにできることを紹介します。

専門家のカウンセリングを活用する

メンタルヘルスの専門家に相談することで、気持ちが楽になることがあります

相談できる専門家には以下のような人がいます。

相談できる専門家
  • 産業医(会社に相談すれば面談を調整してもらえます)
  • 心療内科・精神科の医師
  • 公認心理師・臨床心理士
  • EAP(従業員支援プログラム)のカウンセラー

自治体でも無料の相談窓口を設けています

厚生労働省の「こころの耳」では、電話やSNSで無料相談ができます

参考:厚生労働省「こころの耳」

復職までの計画を立てておく

漠然とした不安を減らすには、具体的な計画を立てることが効果的です

主治医と相談しながら、以下のようなスケジュールを決めましょう。

計画すべき項目
  • いつ頃から回復に向けたリハビリを始めるか
  • どのタイミングで会社に復職の意思を伝えるか
  • 復職前に準備しておくべきことは何か

また、会社との復職面談に向けた準備も重要です

復職面談で聞かれやすいことは以下のとおりです

復職面談でよく聞かれること
  • 現在の体調と治療の状況
  • 休職に至った原因の振り返り
  • 再発防止のために心がけていること
  • 復職後の働き方の希望

退職も視野に入れて社会保険給付金を確認しておく

休職中に「やはり退職したほうがいいかもしれない」と考えが変わることもあります

その場合に備えて、退職後の給付金についても確認しておきましょう。

退職後も傷病手当金を受け取れる条件は以下のとおりです

退職後の傷病手当金受給条件
  • 退職日までに継続して1年以上の被保険者期間がある
  • 退職日に傷病手当金を受けているか、受けられる状態である
  • 退職後も引き続き労務不能の状態が続いている

傷病手当金から失業給付金への切り替えタイミングにも注意が必要です

傷病手当金は「働けない状態」で受給し、失業給付金は「働ける状態で求職中」に受給するものです。

両方を同時に受け取ることはできません


休職するより退職した方がいいケースとは

休職が最善の選択とは限りません

状況によっては、退職を選んだほうがよいケースもあります。

職場環境が変わる見込みがない場合

休職の原因が職場環境にある場合、復職しても同じ状況が続く可能性があります

特に、以下のようなケースでは退職を検討する価値があります

退職を検討すべきケース
  • パワハラやハラスメントが原因で、加害者が処分されていない
  • 過重労働が常態化しており、改善の見込みがない
  • 人間関係の問題が根本的に解決できない

このような場合、無理に復職しても再び体調を崩すリスクが高いです

厚生労働省の「労働安全衛生調査」によると、過去1年間にメンタルヘルス不調により退職した労働者がいた事業所の割合は6.4%にのぼります。

参考:厚生労働省「令和5年 労働安全衛生調査(実態調査)」

環境を変えることで、心身ともに回復できるケースは少なくありません

健康状態への悪影響が大きすぎる場合

医師から退職を勧められた場合は、真剣に検討すべきです

以下のような状況では、退職が適切な選択肢となることがあります

退職が適切な状況
  • 仕事を続けることで症状が悪化している
  • 休職と復職を繰り返している
  • 現在の職種・業種では回復が難しいと診断された

再休職を繰り返すと、休職期間が長くなる傾向があります

厚生労働省の研究によると、2回目以降の休職では1回目より休職期間が長期化しやすいとされています。

自分の健康を最優先に考えることが大切です

新しいキャリアや働き方を目指したい場合

休職期間中に、自分のキャリアや働き方を見つめ直す方も多いです

以下のように考えが変わることは珍しくありません。

休職中に考えが変わる例
  • 今の仕事が自分に合っていないと感じるようになった
  • 別の業界や職種にチャレンジしたくなった
  • フリーランスや起業に興味が出てきた
  • ワークライフバランスを重視した働き方をしたい

このような場合、無理に復職するよりも、新しい道を選ぶほうが長期的に見てプラスになることがあります

転職を見据えた退職のタイミングは、傷病手当金の受給期間や体調の回復具合を考慮して決めましょう


休職と退職の違い|それぞれがキャリアに与える影響

休職と退職では、その後のキャリアに与える影響が異なります

将来を見据えた判断をするために、それぞれの影響を理解しておきましょう。

休職がキャリアに与える影響

休職が社内でのキャリアに与える影響は、企業によって大きく異なります

一般的に考えられる影響は以下のとおりです。

社内での昇進・昇格への影響

昇進・昇格への影響
  • 休職期間中は評価対象外となることが多い
  • 昇格・昇給のタイミングが遅れる可能性がある
  • ただし、復職後の実績次第で挽回できる

転職市場での評価

転職活動において、休職経験が直接的に不利になることは少ないです

ただし、ブランク期間について質問されることはあります

その際は、療養に専念していたことを正直に伝え、現在は問題なく働けることをアピールしましょう。

退職がキャリアに与える影響

退職の場合、ブランク期間の説明方法が重要になります

ブランク期間の説明方法

ブランク期間の説明方法
  • 療養に専念していたことを簡潔に伝える
  • 現在は完全に回復していることを強調する
  • 休職期間中に学んだことや気づきを話す

転職活動で不利になるケース・ならないケース

不利になりやすいケース不利にならないケース
ブランク期間が長すぎる1年以内の療養期間
短期離職を繰り返している前職で一定の実績がある
説明が曖昧で一貫性がない前向きな理由を説明できる

休職は履歴に残る?転職先にバレる?

休職したことが転職先に知られるかどうかは、多くの方が気にするポイントです

履歴書への記載義務

休職を履歴書に記載する義務はありません

履歴書に記載が求められるのは「入社」「退職」などの職歴であり、休職は職歴に該当しないためです。

源泉徴収票や保険から分かる可能性

休職が判明する可能性
  • 源泉徴収票の収入が極端に少ないと質問されることがある
  • 雇用保険の加入期間から推測される可能性がある
  • 前職調査が行われる場合は判明することがある

聞かれたときの答え方

面接で直接聞かれた場合は、正直に答えることをおすすめします

嘘をつくと、後々トラブルになる可能性があります。

「体調を崩して療養していました。現在は完全に回復しており、問題なく働けます」といった回答が適切です


休職したら終わりにしないための準備と心構え

休職を「終わり」にしないためには、事前の準備が大切です

具体的な準備について解説します。

休職前に医師の診断書を用意する

休職を申請する際には、医師の診断書が必要です

診断書に書いてもらうべき内容は以下のとおりです

診断書に記載すべき内容
  • 病名または症状名
  • 療養が必要な期間の目安
  • 就労不能である旨の記載
  • 作成日と医師の署名・押印

会社への提出タイミングは、休職を申請する際が基本です

診断書の発行には費用がかかり、一般的に2,000円〜10,000円程度です

休職中の生活費を事前に計算しておく

休職中の経済的な不安を減らすため、事前に生活費を計算しておきましょう

傷病手当金でどれくらいカバーできるかの目安は以下のとおりです

月給(標準報酬月額)傷病手当金(月額目安)
20万円約13万円
30万円約20万円
40万円約27万円

参考:全国健康保険協会「傷病手当金の支給額」

足りない場合の対処法としては以下のようなものがあります

生活費が足りない場合の対処法
  • 貯金を取り崩す
  • 固定費を見直して節約する
  • 家族からの援助を受ける
  • 自治体の生活支援制度を利用する

復職プランを早めに考えておく

復職を見据えた計画を早めに立てておくことで、不安を軽減できます

いつ頃復帰を目指すかは、主治医と相談しながら決めましょう

一般的な復職プランの流れは以下のとおりです

復職プランの流れ
  1. 療養期間(症状の安定を待つ)
  2. 回復期間(生活リズムを整える)
  3. リハビリ期間(外出や軽い運動を始める)
  4. 復職準備期間(会社との面談、試し出勤など)
  5. 復職(時短勤務から始める場合も)

時短勤務や配置転換の相談も、早めに会社と話し合っておくと安心です


鬱で休職した場合、復帰できる?復職率のデータと実態

メンタルヘルスの問題で休職した場合の復職について、データをもとに解説します

メンタル不調で休職した社員の復職率はどれくらい?

厚生労働省のデータによると、過去1年間にメンタルヘルス不調により連続1ヶ月以上休業した労働者の割合は0.6%です

事業所規模別に見ると、以下のような傾向があります

事業所規模休業した労働者の割合
1,000人以上1.0%
500〜999人1.2%
100〜299人0.6%
10〜29人0.3%

参考:厚生労働省「令和5年 労働安全衛生調査」

復職後に再休職・離職するケースも少なくありません

厚生労働省の研究班報告によると、メンタルヘルス不調からの復職者のうち、約半数が5年以内に再度の休職を経験するとされています

復職率を上げるためにできること

再休職を防ぎ、安定して働き続けるためのポイントを紹介します

焦らず段階的に戻ることの重要性

復職直後は、以前と同じように働こうとしないことが大切です

厚生労働省の「職場復帰支援の手引き」でも、段階的な復帰プランの策定が推奨されています

参考:厚生労働省「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」

リワークプログラムの活用

リワーク(復職支援プログラム)とは、復職に向けたリハビリテーションを行うプログラムです

医療機関や就労支援施設で実施されており、以下のような内容が含まれます。

リワークプログラムの内容
  • 生活リズムの改善
  • ストレス対処法の習得
  • 認知行動療法
  • 集団プログラムへの参加

リワークプログラムを利用することで、再休職のリスクを下げられるというデータもあります

復職が難しいと感じたときの選択肢

どうしても復職が難しいと感じた場合は、無理をしないでください

選択肢として以下のようなものがあります

退職して療養に専念する道

会社に縛られず、十分な時間をかけて回復することも選択肢の一つです

退職後も条件を満たせば傷病手当金を受給できます。

傷病手当金を受給しながら次を考える

傷病手当金は最長1年6ヶ月受給できます

この期間を活用して、今後のキャリアについてじっくり考えることもできます。

体調と相談しながら、自分に合った選択をしましょう


よくある質問

Q. 休職期間はどれくらいが一般的ですか?

休職期間は会社によって異なりますが、一般的には3ヶ月〜3年程度です

独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によると、休職期間の上限を「6ヶ月超から1年まで」と定めている会社が最も多く、全体の22.3%を占めています

企業規模によっても傾向が異なります

企業規模別の休職期間
  • 大企業(1,000人以上):1年〜3年が多い
  • 中小企業(100人未満):3ヶ月〜1年が多い

参考:独立行政法人労働政策研究・研修機構

自分の会社の休職期間は、就業規則で確認しましょう

Q. 休職中に転職活動をしてもいいですか?

法律上、休職中に転職活動をすることは禁止されていません

ただし、以下の点に注意が必要です

休職中の転職活動の注意点
  • 傷病手当金は「働けない状態」であることが条件
  • 転職活動が活発すぎると「働ける状態」とみなされる可能性がある
  • 会社にバレるとトラブルになることがある

体調が回復してきた段階で、情報収集程度から始めるのが無難です

本格的な転職活動は、休職期間満了後または退職後に行うことをおすすめします

Q. 休職したことを転職先に伝える必要はありますか?

履歴書に休職を記載する義務はありません

ただし、面接で直接聞かれた場合は正直に答えたほうがよいでしょう

嘘をついて入社した場合、後から判明するとトラブルになる可能性があります

伝える場合は、以下のポイントを押さえましょう

休職を伝える際のポイント
  • 現在は完全に回復していることを強調する
  • 前向きな姿勢をアピールする
  • 休職中に学んだことや気づきを話す

Q. 傷病手当金と失業給付金は同時にもらえますか?

傷病手当金と失業給付金を同時に受給することはできません

それぞれの受給条件が異なるためです

給付金受給条件
傷病手当金働けない状態であること
失業給付金働ける状態で求職活動中であること

傷病手当金を受給中に退職した場合は、体調が回復して「働ける状態」になってから失業給付金に切り替えます

失業給付金の受給には、ハローワークでの手続きが必要です。

傷病手当金を受給していた期間は、失業給付金の受給期間延長が可能な場合があります

詳しくはハローワークに相談してください

参考:ハローワークインターネットサービス

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