会社倒産でもらえるお金一覧|受給条件や金額計算・申請の流れを紹介

会社の倒産は突然やってくることが多く、「これからの生活費はどうすればいいのか」と不安を感じる方も少なくありません。

家族を養っている方や住宅ローンを抱えている方にとって、収入が途絶えることは大きな精神的負担になります。

しかし、会社倒産による退職は「会社都合退職」として扱われ、失業保険をはじめとした複数の給付金を受け取ることができます。

自己都合退職と比べて優遇された条件で支援を受けられるため、制度を正しく理解しておくことが大切です。

本記事では、会社倒産時にもらえるお金の種類や金額の計算方法、申請手続きまで詳しく解説します。

目次

会社倒産でもらえるお金はいくら?受け取れる給付金一覧

会社が倒産した場合、従業員は「特定受給資格者」として認定されます。

特定受給資格者とは、倒産や解雇など会社側の都合によって雇用関係が終了した人を指す言葉です。

この資格を得ることで、複数の給付金や支援制度を活用できるようになります。

受け取れる可能性のある主な給付金は以下のとおりです。

給付金の種類概要受給の目安額
失業保険(基本手当)再就職までの生活費を支援賃金の50〜80%
退職金会社の規定による支払い会社の財務状況による
未払い賃金立替払制度で国が代わりに支払い未払額の80%(上限あり)
再就職手当早期再就職へのインセンティブ基本手当の60〜70%
職業訓練受講給付金訓練中の生活支援月額10万円

これらの制度を組み合わせることで、収入が途絶えた期間の生活を支えることができます。

それぞれの給付金について詳しく見ていきましょう。

失業保険(基本手当)

失業保険は正式名称を「雇用保険の基本手当」といい、求職活動中の生活を支える最も基本的な給付金です。

会社都合退職の場合は給付制限がなく、7日間の待期期間が終わればすぐに受給を開始できます。

厚生労働省の資料によると、基本手当日額は離職前6ヶ月間の賃金をもとに計算され、およそ50〜80%の給付率が適用されます。

賃金が低い方ほど高い給付率が適用される仕組みになっているため、生活への影響を最小限に抑えられます。

失業保険の主な特徴は以下のとおりです。

  • 会社都合退職なら給付制限期間がない
  • 給付率は賃金の50〜80%(60歳以上64歳以下は45〜80%)
  • 給付日数は年齢と勤続年数により最大330日
  • 待期期間7日後から受給開始

給付日数は離職理由や被保険者期間によって異なり、会社都合退職の場合は自己都合退職よりも長い期間受給できます。

退職金

退職金は、会社の就業規則や退職金規程に基づいて支払われるお金です。

会社が倒産した場合でも、退職金は「財団債権」または「優先的破産債権」として扱われるため、一般の債権よりも優先的に支払いを受けられます。

ただし、会社の財務状況によっては全額もらえない可能性もあります。

破産手続きが行われる場合は、破産管財人から退職金の支払い見込みについて説明を受けることができます。

退職金に関する重要なポイントは以下のとおりです。

  • 就業規則で退職金制度が定められていれば請求権がある
  • 破産手続きでは一般債権より優先的に扱われる
  • 会社の財産が不足している場合は減額される可能性がある
  • 中小企業退職金共済(中退共)に加入している場合は別途受け取れる

未払い賃金

会社の経営が悪化すると、給料が遅延したり未払いのまま倒産したりするケースがあります。

そのような場合に活用できるのが「未払賃金立替払制度」です。

この制度は、独立行政法人労働者健康安全機構が運営しており、未払い賃金の80%を国が立て替えて支払ってくれます。

「未払賃金立替払制度」は、企業倒産により賃金が支払われないまま退職した労働者に対して、未払賃金の一部を立替払する制度です。 引用元:厚生労働省「未払賃金立替払制度の概要と実績」

立替払いの上限額は退職時の年齢によって異なります。

退職時の年齢未払賃金の限度額立替払いの上限額(80%)
30歳未満110万円88万円
30歳以上45歳未満220万円176万円
45歳以上370万円296万円

対象となるのは、退職日の6ヶ月前から立替払請求日の前日までに支払期日が到来している定期賃金と退職手当です。

賞与(ボーナス)は対象外となりますので注意してください。

就職促進給付(再就職手当など)

就職促進給付とは、早期の再就職を促進するために設けられた給付金の総称です。

代表的なものに「再就職手当」「就業促進定着手当」「常用就職支度手当」などがあります。

特に再就職手当は、失業保険の支給残日数が一定以上残っている状態で就職が決まった場合に受け取れる給付金です。

早く再就職するほど多くの金額を受け取れる仕組みになっています。

再就職手当の給付率は以下のとおりです。

  • 支給残日数が所定給付日数の3分の2以上:給付率70%
  • 支給残日数が所定給付日数の3分の1以上:給付率60%

計算式は「基本手当日額 × 支給残日数 × 給付率」となります。

例えば、基本手当日額5,000円で所定給付日数270日の方が50日目に再就職した場合、支給残日数は228日となり、約79万円の再就職手当を受け取れます。

職業訓練受講給付金

職業訓練受講給付金は、雇用保険を受給できない方が職業訓練を受講する際に支給される給付金です。

会社倒産後に失業保険の受給期間が終了した方でも、この制度を活用すればスキルを身につけながら生活費を確保できます。

求職者支援制度は、再就職や転職、スキルアップを目指す方が月10万円の生活支援の給付金を受給しながら無料の職業訓練を受講する制度です。 引用元:厚生労働省ハロトレ特設サイト「職業支援・給付金などについて知る」

職業訓練受講給付金の支給内容は以下のとおりです。

  • 職業訓練受講手当:月額10万円
  • 通所手当:訓練施設までの交通費(上限42,500円)
  • 寄宿手当:月額10,700円(該当者のみ)

ただし、本人収入が月8万円以下であることや、世帯全体の金融資産が300万円以下であることなど、複数の要件を満たす必要があります。

会社倒産で「会社都合退職」になるメリット

会社倒産による退職は自動的に「会社都合退職」として扱われます。

会社都合退職には、自己都合退職と比べて多くのメリットがあります。

これらのメリットを正しく理解しておくことで、倒産後の生活設計を立てやすくなります。

失業保険を待機期間7日後からすぐ受け取れる

会社都合退職の最大のメリットは、給付制限期間がないことです。

自己都合退職の場合、2025年4月以降は原則1ヶ月の給付制限期間がありますが、会社都合退職ではこの制限がありません。

7日間の待期期間が終了すれば、すぐに失業保険の受給が開始されます。

急に収入が途絶える会社倒産の場面では、この即時受給できる仕組みが大きな支えになります。

ハローワークで受給資格が認められた日から約1ヶ月後には、最初の失業保険が振り込まれます。

給付日数が自己都合退職より長い

会社都合退職者(特定受給資格者)は、自己都合退職者よりも失業保険の給付日数が長く設定されています。

自己都合退職の場合、被保険者期間に関わらず最大150日ですが、会社都合退職では最大330日まで延長されます。

年齢と勤続年数による給付日数の違いは以下のとおりです。

年齢\被保険者期間1年未満1年以上5年未満5年以上10年未満10年以上20年未満20年以上
30歳未満90日90日120日180日
30歳以上35歳未満90日120日180日210日240日
35歳以上45歳未満90日150日180日240日270日
45歳以上60歳未満90日180日240日270日330日
60歳以上65歳未満90日150日180日210日240日

30代〜50代は特に手厚い保障が設けられており、子育てや住宅ローンなど出費の多い世代への配慮がうかがえます。

受給資格の条件が緩和される

会社都合退職では、失業保険を受け取るための条件も緩和されています。

自己都合退職の場合は離職前2年間に被保険者期間が通算12ヶ月以上必要ですが、会社都合退職の場合は離職前1年間に6ヶ月以上あれば受給資格を得られます。

入社してまだ日が浅い方でも、倒産による離職であれば失業保険を受け取れる可能性があるのです。

勤続期間が短い方にとって、この条件緩和は非常に大きなメリットといえます。

会社倒産で「会社都合退職」になるデメリット

会社都合退職にはメリットが多い一方で、いくつかのデメリットも存在します。

事前にデメリットを把握しておくことで、適切な対策を講じることができます。

収入が突然途絶え生活設計が崩れる

自己都合退職であれば、退職日を自分で決められるため、事前に貯金を増やしたり転職活動を進めたりする準備期間を確保できます。

しかし会社倒産の場合は、突然収入が途絶えることになります。

住宅ローンや家賃、子どもの教育費など、固定費の支払いに困る方も少なくありません。

失業保険は離職前の賃金の50〜80%程度であるため、これまでと同じ生活水準を維持するのは難しい場合があります。

倒産の兆候を感じたら、早めに生活費の見直しや緊急予備資金の確保を検討しておくことが大切です。

離職票の発行が遅れるケースがある

通常の退職であれば、退職後1〜2週間程度で離職票が届きます。

しかし会社が倒産した場合、経理担当者や人事担当者も退職してしまい、離職票の発行手続きが滞ることがあります。

離職票がなければ失業保険の申請ができないため、受給開始が遅れてしまいます。

このような場合は、ハローワークで「確認請求」という手続きを行うことで対応できます。

詳しい対応方法については、本記事の後半で解説します。

転職時に誤解を受ける可能性がある

履歴書や職務経歴書に「会社都合退職」と記載すると、採用担当者から誤解を受ける可能性があります。

「会社都合=解雇されたのでは?」「何か問題を起こしたのでは?」と思われることもあるためです。

しかし、会社倒産による退職は本人に非がないケースがほとんどです。

面接では「会社が経営破綻により倒産したため退職しました」と正直に説明すれば、マイナス評価になることはほとんどありません。

むしろ、倒産という困難な状況を乗り越えようとする姿勢を評価する企業も多いでしょう。

会社倒産でもらえる失業保険の金額はどう計算する?

失業保険の金額は、離職前の賃金をもとに計算されます。

計算方法を理解しておくことで、受給できる金額の目安を把握できます。

基本手当日額の計算式

失業保険の1日あたりの支給額を「基本手当日額」といいます。

基本手当日額は、以下の2段階で計算されます。

ステップ1:賃金日額を算出する

賃金日額 = 離職前6ヶ月間の賃金合計 ÷ 180日

ここでいう賃金には、基本給のほか残業手当や通勤手当、役職手当などが含まれます。

ただし、賞与(ボーナス)は含まれません。

ステップ2:基本手当日額を算出する

基本手当日額 = 賃金日額 × 給付率(50〜80%)

給付率は賃金日額と年齢によって異なり、賃金が低いほど高い給付率が適用されます。

例えば、離職前6ヶ月間の賃金合計が180万円(月30万円)の場合、賃金日額は10,000円となります。

この賃金日額に対する給付率は約50%強となるため、基本手当日額はおよそ5,500円〜6,000円程度になります。

年齢別の基本手当日額の上限

基本手当日額には年齢区分ごとに上限額が設けられています。

2024年8月1日改定の上限額は以下のとおりです。

離職時の年齢基本手当日額の上限
29歳以下7,065円
30歳以上44歳以下7,845円
45歳以上59歳以下8,635円
60歳以上64歳以下7,420円

厚生労働省は8月から、雇用保険の基本手当日額を引き上げた。引上げ後の世代ごとの最高額は、30歳未満7065円、30~45歳未満7845円、45~60歳未満8635円、60~65歳未満7420円となった。 引用元:労働新聞社「基本手当日額最高額引上げ 厚労省」

賃金が高い方でも、この上限額を超えて受給することはできません。

また、下限額は全年齢共通で2,295円となっています。

手取り20万で失業手当はいくらもらえる?

手取り20万円の場合、額面(総支給額)はおよそ24〜26万円程度と考えられます。

ここでは額面25万円と仮定して計算してみましょう。

計算例

  • 離職前6ヶ月間の賃金合計:25万円 × 6ヶ月 = 150万円
  • 賃金日額:150万円 ÷ 180日 = 8,333円
  • 給付率:約65%(賃金日額により変動)
  • 基本手当日額:8,333円 × 65% = 約5,400円

1ヶ月を30日とすると、月額では約16万2,000円程度となります。

ただし、失業保険は28日ごとの認定となるため、4週間分の支給額は約15万円程度が目安です。

月収別の受給額目安は以下のとおりです。

月収(額面)賃金日額基本手当日額の目安月額の目安(28日分)
20万円約6,666円約4,900円約13.7万円
25万円約8,333円約5,400円約15.1万円
30万円約10,000円約5,800円約16.2万円
35万円約11,666円約6,200円約17.4万円

実際の金額は年齢や賃金の内訳によって変動しますので、正確な金額はハローワークで確認してください。

会社倒産でもらえる失業保険の受給条件と給付期間

失業保険を受け取るためには、いくつかの条件を満たす必要があります。

会社都合退職の場合、どのような条件で給付を受けられるのか詳しく見ていきましょう。

特定受給資格者として認められる条件

会社倒産による退職は「特定受給資格者」として認められます。

特定受給資格者とは、以下のような理由で離職した方を指します。

  • 倒産(破産、民事再生、会社更生など)による離職
  • 事業所の廃止や移転による離職
  • 解雇(自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇を除く)
  • 労働条件の著しい相違による離職
  • 賃金の未払いや大幅な低下による離職

特定受給資格者として認められるには、離職前1年間に被保険者期間が通算6ヶ月以上あることが条件です。

自己都合退職の場合は2年間で12ヶ月以上必要ですが、特定受給資格者は条件が緩和されています。

年齢・勤続年数別の所定給付日数

特定受給資格者の所定給付日数は、離職時の年齢と被保険者期間によって決まります。

先ほどの表を再掲します。

年齢\被保険者期間1年未満1年以上5年未満5年以上10年未満10年以上20年未満20年以上
30歳未満90日90日120日180日
30歳以上35歳未満90日120日180日210日240日
35歳以上45歳未満90日150日180日240日270日
45歳以上60歳未満90日180日240日270日330日
60歳以上65歳未満90日150日180日210日240日

被保険者期間が1年未満でも90日間の給付を受けられるのは、会社都合退職ならではの特典です。

会社が潰れたらいくら貰える?ケース別シミュレーション

具体的なケースで受給総額をシミュレーションしてみましょう。

ケース1:35歳、勤続8年、月収30万円の場合

  • 基本手当日額:約5,800円
  • 所定給付日数:180日
  • 受給総額:5,800円 × 180日 = 約104万4,000円

ケース2:45歳、勤続15年、月収40万円の場合

  • 基本手当日額:約6,500円(上限に近い)
  • 所定給付日数:270日
  • 受給総額:6,500円 × 270日 = 約175万5,000円

ケース3:50歳、勤続22年、月収50万円の場合

  • 基本手当日額:約8,635円(上限額)
  • 所定給付日数:330日
  • 受給総額:8,635円 × 330日 = 約284万9,550円

このように、年齢と勤続年数によって受給総額は大きく変わります。

さらに再就職手当や職業訓練受講給付金を組み合わせれば、より多くの支援を受けることが可能です。

会社倒産で失業保険を受け取る手続きの流れ

失業保険を受け取るためには、ハローワークでの手続きが必要です。

スムーズに受給を開始するために、手続きの流れを把握しておきましょう。

Step1|必要書類を準備する

失業保険の申請には、以下の書類が必要です。

  • 雇用保険被保険者離職票-1および離職票-2
  • マイナンバーカードまたは通知カード
  • 本人確認書類(運転免許証など)
  • 証明写真2枚(縦3cm×横2.5cm)
  • 預金通帳またはキャッシュカード(本人名義のもの)

離職票は退職後1〜2週間程度で会社から届きます。

倒産の場合は遅れることがあるため、届かない場合はハローワークに相談してください。

Step2|ハローワークで求職申し込みをする

離職票が届いたら、住所地を管轄するハローワークに行きます。

最初の来所時に「求職申し込み」と「失業保険の受給手続き」を同時に行います。

窓口で書類を提出し、退職理由についての確認を受けます。

受給資格が認められると、この日が「受給資格決定日」となります。

同時に、雇用保険受給説明会の日程が案内されます。

Step3|雇用保険説明会に参加する

受給資格決定日から1〜3週間後に、雇用保険受給説明会が開催されます。

説明会では失業保険の仕組みや、受給中の注意点について説明を受けます。

この説明会に参加すると「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」が交付されます。

説明会への参加は必須ですので、必ず出席してください。

Step4|待期期間を経て失業認定を受ける

受給資格決定日から7日間は「待期期間」となり、この間は失業保険が支給されません。

待期期間中はアルバイトを含め、働くことができません。

もし待期期間中に働いた場合は、その日数分だけ待期期間が延長されます。

待期期間終了後、4週間に1回の「失業認定日」にハローワークへ来所し、求職活動の実績を報告します。

失業認定を受けることで、その期間の失業保険が支給されます。

Step5|失業手当が口座に振り込まれる

失業認定を受けてから約1週間後に、指定した銀行口座に失業保険が振り込まれます。

会社都合退職の場合、最初の振り込みは受給資格決定日から約1ヶ月後となります。

以降は4週間ごとに失業認定を受け、その都度振り込まれる仕組みです。

手続きの流れをまとめると以下のとおりです。

ステップ内容目安時期
離職票受領会社から届く退職後1〜2週間
受給資格決定ハローワークで手続き離職票受領後すぐ
待期期間7日間(働けない期間)受給資格決定日から7日間
説明会参加制度の説明を受ける決定日から1〜3週間後
失業認定求職活動を報告4週間ごと
振り込み口座に入金認定から約1週間後

会社倒産で失業保険をもらう際に知っておくべきこと

失業保険を受給する際には、いくつかの重要なポイントがあります。

これらを知っておくことで、より有利に制度を活用できます。

再就職しても再就職手当がもらえる

失業保険の受給期間中に再就職が決まった場合、「再就職手当」を受け取れる可能性があります。

再就職手当は、所定給付日数の3分の1以上を残して就職した場合に支給されます。

再就職手当の受給金額は基本手当の支給残日数によって支給率が異なります。支給残日数が所定給付日数の3分の2以上の方は、支給率70%、3分の1以上の方は、支給率60%となります。 引用元:リクルートエージェント「再就職手当とは?」

早く再就職するほど多くの金額を受け取れるため、積極的な求職活動のモチベーションになります。

再就職手当の受給要件は以下のとおりです。

  • 7日間の待期期間満了後に就職したこと
  • 支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あること
  • 前の会社やその関連会社への再就職でないこと
  • 1年以上雇用されることが確実であること
  • 過去3年以内に再就職手当を受給していないこと

不正受給には厳しいペナルティがある

失業保険の不正受給には、厳しいペナルティが科されます。

アルバイトをしたにもかかわらず申告しなかった場合や、虚偽の求職活動を報告した場合は不正受給とみなされます。

不正受給が発覚した場合のペナルティは以下のとおりです。

  • 不正に受給した金額の全額返還
  • 不正受給額の2倍に相当する金額の納付(合計で3倍返し)
  • 以降の失業保険の支給停止
  • 悪質な場合は詐欺罪として刑事告発

アルバイトや内職をした場合は、必ず失業認定申告書に正直に記載してください。

申告すれば、就労した日数分の基本手当が繰り越されるだけで、不正にはなりません。

職業訓練を受ければ給付期間を延長できる

失業保険の受給中にハローワークの指示で職業訓練を受講すると、訓練終了まで失業保険の給付期間を延長できます。

この仕組みを「訓練延長給付」といいます。

例えば、所定給付日数が90日の方でも、6ヶ月間の職業訓練を受講すれば、訓練終了まで失業保険を受け取り続けることができます。

さらに、訓練を受講している間は以下の手当も支給されます。

  • 受講手当:1日500円(上限2万円)
  • 通所手当:訓練施設までの交通費
  • 寄宿手当:月額10,700円(該当者のみ)

職業訓練は無料で受講でき、新しいスキルを身につけながら生活費も確保できる非常にお得な制度です。

会社倒産の兆候を感じたら退職前にやっておくべき準備

会社倒産は突然訪れることが多いですが、事前に兆候を察知できる場合もあります。

倒産の可能性を感じたら、退職前に以下の準備を進めておきましょう。

離職票の発行時期を会社に確認しておく

会社が倒産すると、離職票の発行手続きが滞る可能性があります。

倒産が近いと感じたら、人事担当者に離職票の発行手続きについて事前に確認しておきましょう。

可能であれば、退職日が決まった時点で早めに発行を依頼しておくと安心です。

離職票がなければ失業保険の申請ができないため、受給開始が遅れてしまいます。

万が一、離職票が届かない場合は、ハローワークで「確認請求」という手続きを行うことで対応できます。

未払い給与・有給休暇の清算を依頼する

倒産前に未払いの給与や残業代、有給休暇の買取りなどがある場合は、早めに清算を依頼しましょう。

倒産後は会社の資産が凍結され、支払いを受けることが難しくなります。

未払い賃金がある場合は、金額と期間を正確に把握しておくことが大切です。

給与明細やタイムカードのコピーなど、未払いを証明できる書類は必ず保管してください。

これらの書類は、未払賃金立替払制度を申請する際に必要になります。

健康保険・年金・税金の切り替え手続きを把握する

会社を退職すると、健康保険や年金の切り替え手続きが必要になります。

退職後の選択肢と手続き先は以下のとおりです。

項目選択肢手続き先
健康保険国民健康保険に加入市区町村役場
健康保険任意継続被保険者になる協会けんぽまたは健康保険組合
健康保険家族の扶養に入る家族の勤務先
年金国民年金に切り替え市区町村役場
住民税普通徴収に切り替え市区町村役場

特に健康保険は、退職後14日以内に国民健康保険への加入手続きが必要です。

任意継続を選ぶ場合は、退職後20日以内に手続きを行う必要があります。

会社倒産でもらえるお金に関するよくある質問

会社倒産に関して、よく寄せられる質問にお答えします。

退職したら200万円もらえる制度はありますか?

「退職したら200万円もらえる」という単独の制度はありません。

ただし、失業保険と各種給付金を組み合わせることで、200万円以上を受け取れるケースはあります。

例えば、45歳以上60歳未満で勤続20年以上の方が会社都合退職した場合、失業保険だけで約285万円(8,635円×330日)を受給できます。

さらに職業訓練を受講すれば、訓練受講手当や延長給付も加算されます。

再就職手当を含めると、条件によっては300万円以上の支援を受けられる可能性もあります。

会社が潰れたらいくら貰えますか?

受け取れる金額は、年齢、勤続年数、離職前の賃金によって大きく異なります。

一般的な目安は以下のとおりです。

年齢・勤続年数月収30万円の場合月収40万円の場合
30歳・勤続5年約62万円(90日分)約70万円(90日分)
40歳・勤続10年約139万円(240日分)約156万円(240日分)
50歳・勤続20年約191万円(330日分)約285万円(330日分)

これに加えて、未払い賃金の立替払いや退職金、再就職手当なども受け取れる可能性があります。

手取り20万で失業手当はいくらもらえる?

手取り20万円(額面約25万円)の場合、基本手当日額はおよそ5,400円程度になります。

28日分(4週間分)では約15万円、1ヶ月(30日)では約16万円が目安です。

ただし、所定給付日数は年齢と勤続年数によって異なります。

例えば35歳で勤続10年の場合、所定給付日数は240日となり、受給総額は約130万円になります。

会社が急に倒産したら給料はどうなる?

会社が倒産しても、働いた分の給料を請求する権利は失われません。

未払い賃金がある場合は、「未払賃金立替払制度」を利用することで、未払額の80%を国から受け取ることができます。

本制度は、「賃金の支払の確保等に関する法律」に基づき、企業が倒産したために、賃金が支払われないまま退職した労働者に対して、その未払賃金の一定範囲について国(労働者健康安全機構)が事業主に代わって払うものです。 引用元:厚生労働省「未払賃金の立替払制度に関するQ&A」

申請期限は、破産手続開始決定日の翌日から2年以内です。

期限を過ぎると立替払いを受けられなくなるため、早めに手続きを行いましょう。

会社倒産後の失業保険はいつからもらえる?

会社都合退職の場合、受給資格決定日から7日間の待期期間終了後に受給期間がスタートします。

自己都合退職のように給付制限期間がないため、比較的早く受給を開始できます。

実際に口座に振り込まれるのは、最初の失業認定を受けてから約1週間後です。

受給資格決定日から数えると、約1ヶ月後に最初の振り込みがあります。

会社倒産で離職票をもらえない場合はどうする?

会社が倒産して離職票がもらえない場合は、ハローワークで「確認請求」という手続きができます。

確認請求を行うと、ハローワークが会社に代わって離職票の発行手続きを進めてくれます。

手続きに必要なものは以下のとおりです。

  • 本人確認書類(運転免許証など)
  • 雇用保険被保険者証(あれば)
  • 退職日がわかる書類(あれば)

離職票がなくても、まずはハローワークに相談することが大切です。

倒産企業の従業員に対しては、柔軟に対応してもらえるケースが多いです。

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