雇用保険の加入期間は合算できる?条件・手続き・必要書類を元ハローワーク相談員が徹底解説

実は、雇用保険の加入期間は転職しても合算できる仕組みがあります。

前職と現職の加入期間を足し合わせることで、本来もらえないと思っていた失業保険を受給できるケースも少なくありません。

この記事では、雇用保険の加入期間を合算するための条件や手続き方法、必要書類について詳しく解説します。

この記事でわかること
  • 雇用保険の加入期間を合算できる条件と仕組み
  • 自己都合退職・会社都合退職それぞれの受給要件
  • 加入期間10年・20年で変わる給付日数の違い
  • 離職票がない場合の対処法と手続き方法
  • 加入期間を自分で調べる具体的な方法

結論として、以下の条件を満たせば雇用保険の加入期間は合算できます。

加入期間合算の条件
条件内容
空白期間離職日の翌々日から1年以内に再就職していること
失業保険の受給歴前職退職時に失業保険を受給していないこと
被保険者期間賃金支払基礎日数が11日以上または労働時間80時間以上の月
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目次

雇用保険の加入期間を合算するとはどういうこと?基本の仕組みを解説

雇用保険の加入期間を合算するとは、複数の会社で働いた期間を足し合わせて、失業保険の受給資格を判定できる仕組みのことです。

転職を繰り返している方や、短期間で離職した方でも、条件を満たせば前職・前々職の加入期間を通算できます。

この仕組みを知っているかどうかで、失業保険を受け取れるかどうかが大きく変わってきます。

ここでは、加入期間が通算される仕組みとその重要性について詳しく解説します。

雇用保険の加入期間が通算される仕組み

雇用保険の加入期間は、転職しても同じ被保険者番号であれば引き継がれます。

被保険者番号とは、雇用保険に初めて加入した際に付与される11桁の番号のことです。

この番号は原則として生涯変わることがないため、転職を何度繰り返しても加入期間は通算されていきます。

たとえば、前職で8ヶ月働いた後に転職し、現職で4ヶ月働いた場合を考えてみましょう。

1社ごとに見ると12ヶ月に満たないため、単独では失業保険の受給資格を満たしません。

しかし、両社の加入期間を合算すれば12ヶ月となり、受給資格を得られるのです。

加入期間通算の具体例
勤務先加入期間単独での受給資格
A社(前職)8ヶ月なし
B社(現職)4ヶ月なし
合算12ヶ月あり

このように、複数の会社での加入期間を足し合わせて12ヶ月以上になれば、失業保険の申請が可能になります。

なぜ加入期間の合算が重要なのか

加入期間の合算は、失業保険を受給するうえで非常に重要な要素です。

その理由は大きく分けて3つあります。

まず1つ目は、短期離職でも受給資格を満たせる可能性があることです。

転職後すぐに会社を辞めてしまった場合でも、前職の加入期間と合わせれば受給条件をクリアできるケースがあります。

2つ目は、加入期間の長さが給付日数に直結することです。

雇用保険の加入期間が10年以上になると給付日数が90日から120日に、20年以上になると150日に増えます。

給付日数が30日増えるだけでも、基本手当日額が5,000円であれば15万円の差が生まれます。

3つ目は、合算のルールを知らないと損をする可能性があることです。

本来受給できるはずの失業保険を、知識不足で逃してしまう方が少なくありません。

加入期間と給付日数の関係(自己都合退職の場合)
加入期間給付日数
1年以上10年未満90日
10年以上20年未満120日
20年以上150日

このように、加入期間を正確に把握し、合算できる分を漏らさず申請することが大切です。

加入期間がリセットされるケースとリセットされないケース

雇用保険の加入期間は、すべてのケースで合算できるわけではありません。

リセットされる場合とされない場合を正しく理解しておくことが重要です。

転職しても1年以内に再就職し、かつ失業保険を受給していない場合は、加入期間がリセットされません。

この場合、前職の加入期間は次の会社での加入期間と合算されます。

以下の3つのケースでは、それまでの加入期間がリセットされてしまいます。

1つ目は、失業保険(基本手当)を受給した場合です。

たとえわずかな金額でも、基本手当を一度でも受け取ると、それまでの加入実績はすべて清算されます。

2つ目は、再就職手当を受給した場合です。

再就職手当も失業保険の一種であるため、受給すると加入期間はリセットされます。

3つ目は、前職との空白期間が1年を超えた場合です。

離職日の翌々日から1年以内に次の会社で雇用保険に加入しないと、それ以前の加入期間は通算できなくなります。

リセットの有無まとめ
状況リセットの有無
転職して1年以内に再就職(失業保険未受給)リセットされない
失業保険(基本手当)を受給リセットされる
再就職手当を受給リセットされる
空白期間が1年超リセットされる

これらのルールを踏まえて、失業保険を受給するタイミングを慎重に検討することが大切です。

雇用保険の加入期間を合算して失業保険を受給するための条件

雇用保険の加入期間を合算して失業保険を受給するには、いくつかの条件を満たす必要があります。

退職理由によって必要な加入期間が異なるため、自分がどのケースに該当するかを確認しておきましょう。

また、被保険者期間としてカウントされる月の条件や、空白期間のルールについても理解しておくことが重要です。

自己都合退職の場合|離職前2年間で通算12ヶ月以上

自己都合で退職した場合、失業保険を受給するには離職日以前の2年間で被保険者期間が通算12ヶ月以上必要です。

この12ヶ月は、1つの会社で満たす必要はありません。

複数の会社での加入期間を合算して12ヶ月以上あれば、受給資格を得られます。

たとえば、A社で5ヶ月、B社で4ヶ月、C社で5ヶ月働いた場合、合計14ヶ月となり条件を満たします。

ただし、すべての期間が「離職前2年間」の範囲内にあることが前提条件です。

2年より前の加入期間は算定対象外となるため注意が必要です。

自己都合退職の受給条件
項目内容
算定対象期間離職日以前の2年間
必要な被保険者期間通算12ヶ月以上
複数社の合算可能

自己都合退職の場合、失業保険の受給開始までに給付制限期間が設けられます。

2025年4月以降は原則1ヶ月の給付制限となっていますが、離職理由によって異なる場合があるため、ハローワークで確認することをおすすめします。

会社都合退職・特定理由離職者の場合|離職前1年間で通算6ヶ月以上

会社都合で退職した場合や特定理由離職者に該当する場合は、受給要件が緩和されます。

離職日以前の1年間で被保険者期間が通算6ヶ月以上あれば、失業保険を受給できます。

会社都合退職とは、倒産や解雇など会社側の事情によって退職を余儀なくされたケースを指します。

このような方は「特定受給資格者」として扱われ、自己都合退職よりも手厚い保障を受けられます。

また、以下のケースは「特定理由離職者」として、会社都合と同じ6ヶ月の要件が適用されます。

  • 有期雇用契約が満了し、更新を希望したのに更新されなかった場合
  • 心身の障害や疾病により勤務継続が困難になった場合
  • 妊娠・出産・育児により退職した場合(受給期間延長の対象)
  • 結婚に伴う住所変更で通勤困難になった場合
退職理由別の受給条件比較
退職理由算定対象期間必要な被保険者期間
自己都合退職離職前2年間通算12ヶ月以上
会社都合退職離職前1年間通算6ヶ月以上
特定理由離職者離職前1年間通算6ヶ月以上

会社都合退職の場合は給付制限期間がなく、待期期間7日間の終了後すぐに給付が開始されます。

被保険者期間としてカウントされる月の条件

雇用保険に加入していた期間であっても、すべての月が被保険者期間としてカウントされるわけではありません。

被保険者期間として認められるためには、一定の条件を満たす必要があります。

具体的には、離職日から1ヶ月ごとに区切った期間において、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。

1つ目は、賃金支払いの基礎となる日数が11日以上あることです。

この日数には、実際に出勤した日だけでなく、有給休暇を取得した日や休業手当の支給対象日も含まれます。

2つ目は、賃金支払いの基礎となる労働時間が80時間以上あることです。

2020年8月の法改正により、日数だけでなく労働時間でも判定できるようになりました。

被保険者期間としてカウントされる条件
条件内容
日数要件賃金支払基礎日数が11日以上
時間要件労働時間が80時間以上

この条件を満たさない月は、被保険者期間としてカウントされません。

病気や欠勤が多かった月、短期間しか勤務しなかった月などは注意が必要です。

離職票の「被保険者期間算定対象期間」欄で、どの月がカウントされているか確認できます。

空白期間が1年を超えると合算できない理由

雇用保険の加入期間を合算するためには、離職日の翌々日から1年以内に再び被保険者資格を取得する必要があります。

この1年という期間を超えてしまうと、それ以前の加入期間は算定対象外となってしまいます。

なぜ「離職日の翌々日」から起算するのかというと、離職日当日はまだ被保険者であり、翌日に被保険者資格を喪失するためです。

資格喪失日の翌日、つまり離職日の翌々日から1年以内に次の会社で雇用保険に加入すれば、期間が通算されます。

空白期間の具体例
離職日再就職日空白期間合算の可否
2025年1月31日2025年10月1日8ヶ月合算可能
2025年1月31日2026年1月31日約12ヶ月合算可能
2025年1月31日2026年3月1日13ヶ月合算不可

転職活動が長引いている方や、育児・病気などで長期間働けなかった方は、この1年ルールに注意が必要です。

やむを得ない事情で1年以上働けない場合は、失業保険の「受給期間延長」の手続きを検討しましょう。

受給期間延長を申請しておけば、最長で4年間まで受給期間を延ばすことができます。

【独自】雇用保険の加入期間が合算して10年・20年になる場合の給付日数の違い

直近の会社の退職理由が「特定受給資格者」や「特定理由離職者」に該当するかどうかで、受給要件や給付日数が変わってきます。

不明な点があれば、遠慮せずに窓口の職員に質問してください。

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雇用保険の加入期間は、単に受給資格を満たすためだけに重要なわけではありません。

加入期間の長さによって、失業保険の給付日数が大きく変わってきます。

特に「10年」と「20年」は重要な節目であり、この期間を超えるかどうかで受け取れる総額に大きな差が生まれます。

加入期間10年で給付日数が90日→120日に増える

自己都合退職の場合、雇用保険の加入期間が10年を超えると給付日数が90日から120日に増えます。

30日分の差は、金額にすると非常に大きなインパクトがあります。

たとえば、基本手当日額が6,000円の場合、30日分で18万円の違いになります。

この差額は、転職活動中の生活費として大きな支えになるでしょう。

一般離職者(自己都合退職)の給付日数表

加入期間 給付日数 日額6,000円の場合の総額
1年以上10年未満 90日 54万円
10年以上20年未満 120日 72万円
20年以上 150日 90万円

たとえば、前職で7年働いた後に転職し、現職で3年働いた場合を考えてみましょう。

過去に失業保険を受給しておらず、空白期間が1年以内であれば、加入期間は合算して10年となります。

この場合、給付日数は120日となり、10年未満の場合と比べて30日分多く受給できます。

10年の節目を超えるかどうかは、転職のタイミングを考えるうえでも重要なポイントです。

加入期間20年以上で給付日数が最大150日に

雇用保険の加入期間が20年以上になると、自己都合退職でも給付日数が最大150日まで延びます。

10年未満の90日と比較すると、60日分も多く受給できることになります。

基本手当日額が6,000円の場合、60日分で36万円もの差が生まれます。

さらに、会社都合退職の場合は年齢によって給付日数がより手厚くなります。

会社都合退職(特定受給資格者)の給付日数表

離職時の年齢 10年未満 10年以上20年未満 20年以上
30歳未満 90日 120日・180日
30歳以上35歳未満 120日・180日 210日 240日
35歳以上45歳未満 150日・240日 270日 270日
45歳以上60歳未満 180日・240日 270日 330日
60歳以上65歳未満 150日・180日 210日 240日

会社都合退職で45歳以上60歳未満、加入期間20年以上の場合は、最大330日の給付を受けられます。

長期間働いてきた方ほど手厚い保障を受けられる仕組みになっているのです。

10年・20年を合算で達成する場合の注意点

加入期間10年・20年を複数社の合算で達成しようとする場合、いくつかの注意点があります。

まず確認すべきは、過去に失業保険を受給していないかどうかです。

一度でも失業保険を受給していると、その時点で加入期間はリセットされてしまいます。

そのため、過去10年間や20年間のすべての期間を通算するためには、その間に失業保険を一度も受給していないことが条件となります。

また、同じ被保険者番号で通算されていることも重要なポイントです。

転職時に被保険者番号が新たに発行されてしまっているケースがあります。

この場合、ハローワークで番号の統合手続きを行う必要があります。

10年・20年の合算に関する注意点

確認事項 内容
失業保険の受給歴 過去に受給していると加入期間はリセット
被保険者番号 同じ番号で通算されていることが必要
離職票の提出 10年・20年の証明には全期間分の離職票は不要
加入履歴の確認 ハローワークで確認可能

なお、10年・20年の通算を証明するために、過去すべての離職票を用意する必要はありません。

受給資格の確認に必要な離職票は、直近2年分(会社都合なら1年分)で基本的には足ります。

給付日数を決定する「算定基礎期間」については、ハローワークがシステム上で確認できます。

不安な場合は、事前にハローワークで加入履歴を確認しておくことをおすすめします。

雇用保険の加入期間を合算して申請する手続きと必要書類

雇用保険の加入期間を合算して失業保険を申請するには、必要な書類を揃えてハローワークで手続きを行います。

特に複数社の加入期間を合算する場合は、離職票の準備が重要になります。

ここでは、必要な書類や離職票がない場合の対処法、加入期間を調べる方法について詳しく解説します。

加入期間を合算する際に必要な離職票は何社分?

雇用保険の加入期間を合算して申請する場合、原則として前職・前々職の離職票が必要です。

離職票には「離職票-1」と「離職票-2」の2種類があり、両方を揃える必要があります。

離職票-1は被保険者資格喪失届を兼ねた書類で、失業給付の振込先口座などを記入します。

離職票-2は離職証明書の写しで、離職前の賃金や離職理由が記載されています。

必要な離職票の数

目的 必要な離職票
受給資格の確認 直近2年分(会社都合なら1年分)
給付日数の算定(10年・20年) 全期間分は原則不要

自己都合退職の場合、離職日以前2年間で12ヶ月以上の被保険者期間を証明する必要があります。

そのため、直近2年間に複数社で働いていた場合は、それぞれの会社から離職票を取得しておきましょう。

一方、加入期間10年・20年の通算を証明するための離職票は、基本的に不要です。

ハローワークのシステムで被保険者番号に紐づいた加入履歴を確認できるためです。

ただし、システムに記録がない場合や確認が必要な場合は、追加で離職票の提出を求められることがあります。

離職票がない場合の対処法

前職の離職票が手元にない場合でも、いくつかの方法で対処できます。

最も一般的な方法は、前職の会社に連絡して再発行を依頼することです。

会社は「被保険者に関する書類」を退職から4年間保管する義務があります。

そのため、4年以内であれば会社経由で離職票を再発行してもらえる可能性が高いです。

離職票がない場合の対処法一覧

状況 対処法
会社と連絡が取れる 会社に再発行を依頼
会社が対応しない ハローワークに相談して督促してもらう
会社が倒産している ハローワーク経由で手続き可能
退職から4年以上経過 ハローワークの記録で再発行申請

会社が離職票の発行に応じない場合は、ハローワークに相談しましょう。

ハローワークから会社に対して離職票の発行を督促してもらえます。

会社が倒産して連絡が取れない場合でも、諦める必要はありません。

給与明細書や雇用契約書、タイムカードなど、勤務実績がわかる資料を持参すれば、ハローワークが職権で対応してくれる場合があります。

    • 給与明細書(できれば6ヶ月分以上)

    • 雇用契約書・労働条件通知書

    • タイムカードの写し

    • 身分証明書

    • 会社の倒産がわかる資料(破産管財人の通知など)

これらの書類を準備して、ハローワークの窓口で相談してみてください。

雇用保険の加入期間を自分で調べる方法

自分の雇用保険の加入期間を調べる方法は、主に2つあります。

1つ目は、ハローワークの窓口で「雇用保険被保険者資格取得届出確認照会」を依頼する方法です。

本人確認書類を持参すれば、過去の加入履歴や被保険者番号を確認できます。

照会の結果は「雇用保険被保険者資格取得届出確認照会回答書」として交付されます。

ハローワークでの確認に必要なもの

必要書類 具体例
本人確認書類 運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど
記入書類 雇用保険被保険者資格取得届出確認照会票

2つ目は、マイナポータルで確認する方法です。

マイナンバーカードをお持ちの方で、あらかじめハローワークにマイナンバーを届け出ている場合は、マイナポータルから雇用保険の加入記録を確認できます。

マイナポータルにログイン後、「雇用保険・労災」「雇用保険」を選択すると、加入状況が表示されます。

2025年1月からは、マイナポータルで離職票の電子交付を受け取ることも可能になっています。

自宅にいながら加入履歴を確認できるため、ハローワークに行く時間がない方にはおすすめの方法です。

合算での申請時にハローワークで伝えるべきこと

雇用保険の加入期間を合算して失業保険を申請する際は、窓口で明確に伝えることが大切です。

「前職の加入期間と合算して申請したい」と最初にはっきり伝えましょう。

複数社分の離職票を持参し、受給資格の確認を依頼します。

ハローワークで伝えるべきこと

伝えるべき内容 理由
合算での申請希望 前職の加入期間を含めて判定してもらうため
複数社分の離職票を持参 受給資格の確認に必要
被保険者番号の確認依頼 番号が異なる場合は統合手続きが必要
退職理由の確認 給付制限の有無や給付日数に影響

もし被保険者番号が複数ある場合は、番号の統合手続きについても相談しましょう。

番号が分かれたままだと、加入期間が正しく通算されない可能性があります。

また、退職理由についても確認が行われます。

雇用保険の加入期間を合算する際の5つの注意点

雇用保険の加入期間を合算する際には、いくつかの注意点があります。

これらを知らないと、本来もらえるはずの失業保険を受け取れなかったり、想定より少ない給付になってしまったりする可能性があります。

申請前に必ず確認しておきましょう。

①失業保険を一度でも受給すると加入期間はリセットされる

雇用保険の加入期間は、失業保険(基本手当)を一度でも受給すると、その時点ですべてリセットされます。

これは非常に重要なルールです。

たとえば、10年間働いて失業保険を受給した場合、それまでの10年分の加入実績はすべて清算されます。

その後に再就職した場合は、新たに0年からカウントし直すことになります。

同様に、再就職手当を受給した場合も加入期間はリセットされます。

再就職手当は、失業保険の給付日数を残して早期に再就職した場合にもらえる一時金です。

便利な制度ですが、受給すると加入期間がリセットされる点には注意が必要です。

リセットの対象となる給付

給付の種類 リセットの有無
基本手当(失業保険) リセットされる
再就職手当 リセットされる
就業促進定着手当 リセットされる
教育訓練給付金 リセットされない

失業保険を受給するかどうかは、今後のキャリアプランを踏まえて慎重に判断しましょう。

すぐに再就職できる見込みがある場合は、あえて受給せずに加入期間を継続させる選択肢もあります。

②空白期間が1年を超えると前職分は合算できない

被保険者資格を喪失した翌日から1年以内に再び雇用保険に加入しないと、それ以前の加入期間は通算できなくなります。

この「1年」というルールは厳格に適用されるため、転職活動が長引いている方は注意が必要です。

空白期間と合算可否の関係

空白期間 前職の加入期間
1年以内 合算可能
1年超 合算不可

育児や病気などで長期間働けない場合は、失業保険の「受給期間延長」の手続きを検討しましょう。

受給期間延長とは、本来1年間である受給期間を最長4年間まで延ばせる制度です。

妊娠・出産・育児・病気・ケガなどの理由で30日以上働けない状態が続く場合に申請できます。

ただし、受給期間延長は「失業保険をもらえる期間を延ばす」制度であり、「加入期間を延ばす」制度ではありません。

加入期間の通算とは別の問題であるため、混同しないように注意してください。

③11日未満・80時間未満の月は被保険者期間に含まれない

雇用保険に加入していた期間のうち、実際に被保険者期間としてカウントされるのは、一定の条件を満たす月のみです。

具体的には、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。

    • 賃金支払基礎日数が11日以上ある月

    • 賃金支払基礎となる労働時間が80時間以上ある月

この条件を満たさない月は、たとえ雇用保険に加入していたとしても被保険者期間としてカウントされません。

被保険者期間にカウントされないケースの例

状況 カウントの可否
月10日勤務、労働時間70時間 カウントされない
月8日勤務、労働時間90時間 カウントされる
月15日勤務、労働時間100時間 カウントされる
病欠で月5日しか出勤しなかった カウントされない可能性あり

短期間勤務や病欠が多かった月は、被保険者期間から除外される可能性があります。

離職票の「被保険者期間算定対象期間」欄を確認し、どの月がカウントされているかを把握しておきましょう。

合算しても被保険者期間が足りない場合は、受給資格を満たせないことになります。

④退職理由は直近の会社の退職理由で判定される

複数社の加入期間を合算して申請する場合、退職理由は直近の会社の退職理由で判定されます。

たとえば、前々職が会社都合退職で、直近の会社が自己都合退職だった場合、自己都合退職として扱われます。

この場合、給付制限期間が適用されるなど、会社都合退職よりも不利な条件になります。

退職理由の判定例

前々職の退職理由 直近の退職理由 適用される退職理由
会社都合 自己都合 自己都合
自己都合 会社都合 会社都合
自己都合 自己都合 自己都合

直近の退職理由が「特定受給資格者」や「特定理由離職者」に該当するかどうかが重要です。

該当する場合は、給付制限なしで受給を開始でき、給付日数も優遇されます。

退職理由については、離職票に記載された内容をもとにハローワークが判定します。

もし離職票の記載内容に異議がある場合は、ハローワークで異議申し立てを行うことも可能です。

⑤受給資格決定後に離職票を提出しても通算できない場合がある

失業保険の申請では、ハローワークに離職票を提出して「受給資格決定」を受けます。

この受給資格決定を受けた後に、追加で離職票を提出しても、通算できない場合があります。

つまり、最初の申請時点で提出した離職票のみで受給資格が判定されるということです。

そのため、加入期間を合算して申請したい場合は、必ず事前にすべての離職票を揃えてから申請しましょう。

申請時の注意点

タイミング 対応
申請前 合算に必要な離職票をすべて揃える
申請時 複数社分の離職票をまとめて提出
申請後 追加提出しても通算できない可能性あり

離職票が手元に届くまでに時間がかかる場合は、焦って申請せずに待つことも選択肢の一つです。

前職の離職票がまだ届いていない場合は、先に前職の会社やハローワークに確認を取りましょう。

不安な場合は、申請前にハローワークの窓口で相談することをおすすめします。

よくある質問

Q1. 雇用保険の加入期間は前職分も合算できますか?

はい、条件を満たせば前職・前々職の加入期間を合算して失業保険の受給資格を判定できます。

合算するための主な条件は、空白期間が1年以内であることと、過去に失業保険を受給していないことです。

複数社での加入期間を足し合わせて12ヶ月以上(会社都合なら6ヶ月以上)になれば、受給資格を得られます。

Q2. 雇用保険の加入期間のカウント方法は?

雇用保険の加入期間は、離職日から1ヶ月ごとに区切ってカウントされます。

そのうち、賃金支払基礎日数が11日以上、または労働時間が80時間以上の月のみが被保険者期間としてカウントされます。

複数社にまたがる場合は、それぞれの会社での被保険者期間を合算して計算します。

Q3. 転職すると雇用保険の加入期間はリセットされますか?

いいえ、転職しただけでは加入期間はリセットされません。

リセットされるのは「失業保険を受給した場合」と「空白期間が1年を超えた場合」の2つです。

転職しても1年以内に再就職し、失業保険を受給していなければ、加入期間は通算されます。

Q4. 失業保険は2社の加入期間を合算できますか?

はい、2社以上の加入期間を合算して受給資格を満たすことが可能です。

合算する場合は、それぞれの会社の離職票をハローワークに提出して申請します。

離職票が複数ある場合は、最初の申請時にまとめて提出するようにしましょう。

Q5. 前職の離職票がない場合でも合算申請はできますか?

前職の会社に再発行を依頼するか、ハローワークに相談することで申請可能です。

会社が対応しない場合は、ハローワークから会社に督促してもらえます。

給与明細などの勤務実績資料があると、手続きがスムーズに進みます。

Q6. 在職期間が数日や1週間でも合算の対象になりますか?

雇用保険に加入していれば合算対象になる可能性はありますが、実際にカウントされるかは勤務実績によります。

11日以上の勤務または80時間以上の労働がないと、その月は被保険者期間としてカウントされません。

短期間勤務の場合は合算対象にならないケースが多いため、離職票で確認することをおすすめします。

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