結論からお伝えすると、1年未満の退職でも条件次第で失業保険を受給できます。
会社都合退職や特定理由離職者に該当する場合は、被保険者期間が6ヶ月以上あれば受給資格を得られるのです。
また、2025年4月からは給付制限期間が1ヶ月に短縮され、教育訓練を受講すれば給付制限が解除される制度改正も実施されました。
この記事では、1年未満で退職した場合の失業保険の受給条件から、うつ病やパワハラで退職した場合の対処法、具体的な申請手続きまでを徹底解説します。
- 1年未満の退職でも失業保険を受給できる4つの条件
- 会社都合・自己都合・特定理由離職者・就職困難者の違い
- うつ病やパワハラで退職した場合の受給方法
- 給付日数と受給金額の計算方法
- 失業保険が受給できない場合に活用できる支援制度
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1年未満でも失業保険を受給できるケース
失業保険の受給資格を理解するには、まず基本的な仕組みを押さえておく必要があります。
「どのくらい働けば受給できるのか」「そもそも失業保険とは何か」といった疑問を解消しておきましょう。
ここでは、失業保険の基本的な仕組みと受給要件について詳しく解説します。
失業保険とは?雇用保険における基本手当の仕組み
失業保険という言葉は日常的に使われていますが、正式名称は「雇用保険の基本手当」といいます。
失業手当や失業給付金と呼ばれることもありますが、いずれも同じ制度を指しています。
この制度は、労働者が失業した際に、次の仕事が見つかるまでの生活を支えることを目的としています。
単にお金を受け取るだけの制度ではなく、再就職活動を支援するための生活保障という位置づけです。
- 失業中の生活費を補填し、安心して求職活動に専念できる環境を提供
- ハローワークでの職業相談・職業紹介を通じた再就職支援
- 職業訓練の受講機会の提供によるスキルアップ支援
雇用保険に加入している労働者であれば、条件を満たすことで離職後に基本手当を受給することができます。
受給するためには、ハローワークで求職の申し込みを行い、失業の認定を受ける必要があります。
原則として必要な「離職前2年間で12ヶ月以上」の被保険者期間
失業保険を受給するための最も重要な条件が「被保険者期間」です。
原則として、離職日以前の2年間に雇用保険の被保険者期間が通算12ヶ月以上必要となります。
| 条件 | 1ヶ月としてカウントできる基準 |
|---|---|
| 賃金支払基礎日数 | 11日以上/月 |
| 労働時間 | 80時間以上/月 |
被保険者期間は、離職日から1ヶ月ごとに区切ってカウントしていきます。
例えば、月の途中で入社した場合でも、その月に11日以上勤務していれば1ヶ月としてカウントされます。
また、複数の職場で働いていた期間も通算することが可能です。
前職で8ヶ月、現職で4ヶ月働いていた場合、合計12ヶ月として受給資格を満たすことができます。
ただし、前職で失業保険を受給していた場合は、その時点で被保険者期間がリセットされるため、通算の対象外となります。
失業の状態とは?受給に必要な「就労の意思と能力」
失業保険を受給するためには、被保険者期間の要件に加えて「失業の状態」にあることが必要です。
失業の状態とは、単に仕事をしていないということではありません。
失業の状態の定義
- 積極的に求職活動を行っていること
- 就職する意思があること
- 就職できる能力(健康状態等)があること
- 現在仕事に就いていないこと
これらすべてを満たして初めて「失業の状態」と認められます。
失業保険を受給できないケース
- 家事や育児に専念する場合
- 学業に専念する場合
- 自営業を開始した場合
- すでに次の就職先が決まっている場合
- 病気やケガですぐに働けない場合
特に注意したいのは、病気やケガで働けない状態にある場合です。
この場合は失業保険ではなく、傷病手当金の受給や失業保険の受給期間延長を検討する必要があります。
1年未満の退職でも失業保険を受給できる4つの条件【自己都合でも可能】
「1年未満の退職では失業保険はもらえない」と思い込んでいる方が多いですが、実際にはいくつかの例外があります。
退職理由や離職状況によっては、被保険者期間が6ヶ月以上あれば受給資格を得られるケースがあります。
ここでは、1年未満でも失業保険を受給できる4つの条件について詳しく解説します。
条件①:会社都合退職(特定受給資格者)に該当する場合
会社都合で退職を余儀なくされた場合、「特定受給資格者」として認定されます。
特定受給資格者に該当すると、被保険者期間の要件が「離職前1年間で6ヶ月以上」に緩和されます。
| 離職理由 | 具体例 |
|---|---|
| 倒産 | 破産、民事再生、会社更生等の申立て、手形取引の停止 |
| 解雇 | 整理解雇、懲戒解雇以外の普通解雇 |
| 労働条件の相違 | 採用時に示された条件と実際の労働条件が大きく異なる |
| 賃金の未払い・低下 | 賃金の3分の1以上が未払い、賃金が85%未満に低下 |
| 長時間労働 | 3ヶ月連続で45時間超、1ヶ月で100時間超等の残業 |
| ハラスメント | パワハラ、セクハラにより退職を余儀なくされた |
パワハラや賃金未払いが原因で退職に追い込まれた場合も、特定受給資格者に該当する可能性があります。
会社から「自己都合退職」として処理されたとしても、実態が会社都合であれば、ハローワークで異議申立てを行うことができます。
離職理由の最終判断はハローワークが行うため、客観的な証拠(メール、録音、労働条件通知書など)を準備しておくことが重要です。
条件②:特定理由離職者に認定される場合
やむを得ない理由で自己都合退職した場合、「特定理由離職者」として認定される可能性があります。
特定理由離職者に該当すると、特定受給資格者と同様に被保険者期間が「離職前1年間で6ヶ月以上」に短縮されます。
特定理由離職者に該当する主なケース
- 体力の不足、心身の障害、疾病、負傷により離職した場合
- 妊娠、出産、育児により離職し、受給期間延長措置を受けた場合
- 父母の死亡や疾病等により介護が必要になり離職した場合
- 配偶者の転勤により通勤が困難になり離職した場合
- 通勤不可能または困難な場所への事業所移転により離職した場合
- 有期雇用契約の更新を希望したが、更新されなかった場合
有期雇用契約で働いていた方が契約更新を希望したにもかかわらず、会社側から更新を拒否された場合も特定理由離職者に該当します。
この場合、給付日数も特定受給資格者と同等に優遇される点が大きなメリットです。
特定理由離職者として認定を受けるためには、離職理由を証明する書類(医師の診断書、介護認定通知書など)の提出が必要になる場合があります。
条件③:就職困難者に認定される場合
身体障害者、知的障害者、精神障害者などに該当する方は「就職困難者」として認定されます。
就職困難者に認定されると、被保険者期間が6ヶ月以上あれば失業保険を受給できます。
就職困難者に該当する主な方
- 身体障害者手帳を所持している方
- 療育手帳を所持している方
- 精神障害者保健福祉手帳を所持している方
- 統合失調症、そう病、うつ病、躁うつ病(双極性障害)、てんかんと診断された方
うつ病や躁うつ病などの精神疾患については、精神障害者保健福祉手帳を持っていなくても、医師の意見書により就職困難者として認定される場合があります。
就職困難者の最大のメリットは、給付日数が大幅に優遇される点です。
| 年齢 | 被保険者期間1年未満 | 被保険者期間1年以上 |
|---|---|---|
| 45歳未満 | 150日 | 300日 |
| 45歳以上65歳未満 | 150日 | 360日 |
一般の離職者が90日〜150日であるのに対し、就職困難者は最大360日と非常に手厚い給付を受けられます。
条件④:前職の雇用保険加入期間を通算する
現在の会社での勤務期間が1年未満でも、前職の被保険者期間と合算することで受給資格を得られる場合があります。
雇用保険加入期間を通算するための条件
- 直近2年間(会社都合の場合は1年間)で複数の職場の被保険者期間を合算
- 前職の離職票を保管していること
- 前職で失業保険を受給していないこと
- 前職と現職の離職日の間隔が1年以内であること
例えば、前職で8ヶ月働き、現職で4ヶ月働いた場合、合計12ヶ月として受給資格を満たすことができます。
ただし、前職で失業保険を一度でも受給していた場合は、その時点で被保険者期間がリセットされます。
前職の離職票は失業保険を受給しなくても発行されるため、転職時には必ず受け取って保管しておくことをおすすめします。
【独自】うつ病・適応障害・パワハラで退職した場合の失業保険受給方法
近年、メンタルヘルスの問題やハラスメントを理由に退職する方が増えています。
このような場合、適切な手続きを行うことで、通常の自己都合退職よりも有利な条件で失業保険を受給できる可能性があります。
ここでは、うつ病やパワハラで退職した場合の具体的な受給方法について解説します。
うつ病や適応障害で退職した場合の受給パターン
うつ病や適応障害で退職した場合、主に2つの受給パターンがあります。
パターン1:就職困難者として申請する場合
就職困難者として認定されると、給付日数が大幅に優遇されます。
45歳未満で被保険者期間1年以上の場合、最大300日間の給付を受けることができます。
就職困難者として認定を受けるためには、以下のいずれかが必要です。
- 精神障害者保健福祉手帳の取得(うつ病の診断から6ヶ月以上経過後に申請可能)
- 医師の意見書(診断書)の提出
医師の意見書を取得する場合は、ハローワークの「みどりの窓口」で専用の用紙をもらい、主治医に記入してもらう必要があります。
意見書には、「うつ病」と明確に診断されていること、週20時間以上の就労が可能であることが記載されている必要があります。
パターン2:特定理由離職者として申請する場合
うつ病を理由に退職した場合、「心身の障害により離職した者」として特定理由離職者に該当する可能性があります。
特定理由離職者に認定されると、以下のメリットがあります。
- 給付制限期間がない(待機期間7日間後すぐに給付開始)
- 被保険者期間6ヶ月以上で受給可能
- 国民健康保険料の軽減措置を受けられる
特定理由離職者として認定を受けるためには、退職前から心療内科や精神科を受診しており、医師の診断書を取得できることが条件となります。
重要な注意点
失業保険を受給するためには「就労の意思と能力がある」ことが前提条件です。
うつ病の症状が重く、すぐに働ける状態にない場合は、失業保険ではなく傷病手当金の受給や受給期間の延長を検討する必要があります。
パワハラが原因で退職した場合の対処法
パワハラが原因で退職した場合、会社都合退職(特定受給資格者)として認定される可能性があります。
ハローワークインターネットサービスによると、上司や同僚からの故意の排斥または著しい冷遇、嫌がらせを受けたことにより離職した場合は、特定受給資格者に該当します。
特定受給資格者として認定されるメリット
- 被保険者期間6ヶ月以上で受給可能
- 給付制限期間がない
- 給付日数が優遇される(年齢・被保険者期間により90日〜330日)
| 証拠の種類 | 具体例 |
|---|---|
| 文書記録 | パワハラに関するメール、LINE、社内チャットのスクリーンショット |
| 音声記録 | パワハラ発言の録音データ |
| 日記・メモ | パワハラの内容、日時、場所を記録したもの |
| 医師の診断書 | パワハラにより精神的な症状が出ている場合 |
| 第三者の証言 | 同僚など、パワハラを目撃した人の証言 |
会社から「自己都合退職」として離職票が発行された場合でも、ハローワークに実態を申し立て、証拠を提出することで離職理由が変更されるケースがあります。
離職理由の最終判断はハローワークが行う
離職票に記載された離職理由と、実際の離職理由が異なる場合があります。
会社が「自己都合」と記載していても、実態が会社都合であれば、ハローワークの判断で変更される可能性があります。
ハローワークでの離職理由の判断プロセス
- 離職票に記載された内容を確認
- 離職者本人からの事情聴取
- 必要に応じて会社への確認
- 客観的資料(証拠)による事実確認
- 最終的な離職理由の判定
離職理由に異議がある場合は、ハローワークの窓口で「離職理由に異議があります」と明確に伝えましょう。
その際、準備した証拠を提出することで、主張が認められる可能性が高まります。
1年未満退職時の失業保険の給付日数と受給金額の計算方法
失業保険を受給できることがわかったら、次に気になるのは「いくらもらえるのか」「何日間もらえるのか」という点でしょう。
給付日数や受給金額は、離職理由や年齢、被保険者期間によって大きく異なります。
ここでは、1年未満の退職時における給付日数と受給金額の計算方法について詳しく解説します。
自己都合退職の場合の給付日数
通常の自己都合退職の場合、被保険者期間が12ヶ月未満では原則として失業保険を受給できません。
ただし、特定理由離職者に該当する場合は、6ヶ月以上の被保険者期間で90日間の給付を受けることができます。
| 被保険者期間 | 給付日数 |
|---|---|
| 1年未満 | 受給不可 |
| 1年以上5年未満 | 90日 |
| 5年以上10年未満 | 90日 |
| 10年以上20年未満 | 120日 |
| 20年以上 | 150日 |
自己都合退職の場合、年齢による給付日数の変動はなく、全年齢共通で被保険者期間のみで決まります。
会社都合退職・特定理由離職者の場合の給付日数(年齢別一覧表)
会社都合退職(特定受給資格者)や一部の特定理由離職者の場合、給付日数が年齢と被保険者期間によって優遇されます。
| 年齢 | 1年未満 | 1年以上5年未満 | 5年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 |
|---|---|---|---|---|---|
| 30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | ― |
| 30歳以上35歳未満 | 90日 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 |
| 35歳以上45歳未満 | 90日 | 150日 | 240日 | 270日 | 270日 |
| 45歳以上60歳未満 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
| 60歳以上65歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
出典:ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」
1年未満の被保険者期間でも、特定受給資格者や一部の特定理由離職者であれば、全年齢で90日間の給付を受けることができます。
就職困難者の場合の給付日数
就職困難者に認定された場合、一般の離職者と比べて大幅に給付日数が優遇されます。
| 年齢 | 被保険者期間1年未満 | 被保険者期間1年以上 |
|---|---|---|
| 45歳未満 | 150日 | 300日 |
| 45歳以上65歳未満 | 150日 | 360日 |
出典:ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」
被保険者期間が1年未満でも150日、1年以上あれば最大360日と、非常に手厚い給付を受けられます。
これは、障害を抱えながらの就職活動には時間がかかることを考慮した制度設計となっているためです。
基本手当日額(1日あたりの給付額)の計算式
失業保険の1日あたりの給付額を「基本手当日額」といいます。
基本手当日額は、離職前の賃金をもとに計算されます。
計算式
賃金日額 = 離職前6ヶ月の賃金合計 ÷ 180
基本手当日額 = 賃金日額 × 給付率(50〜80%)
給付率は、賃金日額と年齢によって50%〜80%の範囲で変動します。
一般的に、賃金が低いほど給付率は高く(最大80%)、賃金が高いほど給付率は低く(最小50%)なります。
| 年齢区分 | 上限額 |
|---|---|
| 30歳未満 | 7,255円 |
| 30歳以上45歳未満 | 8,055円 |
| 45歳以上60歳未満 | 8,870円 |
| 60歳以上65歳未満 | 7,623円 |
| 下限額(全年齢共通) | 2,196円 |
出典:厚生労働省「雇用保険の基本手当日額が変更になります」
失業保険の受給総額シミュレーション例
具体的な金額をイメージするために、2つのケースでシミュレーションしてみましょう。
ケース1:月収25万円・被保険者期間6ヶ月・会社都合退職(30歳)の場合
- 賃金日額:25万円 × 6ヶ月 ÷ 180日 = 約8,333円
- 基本手当日額:8,333円 × 60% = 約5,000円
- 給付日数:90日(特定受給資格者・1年未満)
- 総受給額:5,000円 × 90日 = 約45万円
ケース2:月収30万円・うつ病退職(就職困難者・35歳・被保険者期間8ヶ月)の場合
- 賃金日額:30万円 × 6ヶ月 ÷ 180日 = 10,000円
- 基本手当日額:8,055円(上限額適用)
- 給付日数:150日(就職困難者・1年未満)
- 総受給額:8,055円 × 150日 = 約120万円
就職困難者として認定されると、受給総額が大幅に増えることがわかります。
失業保険の申請手続きと必要書類【1年未満退職者向け】
失業保険を受給するためには、ハローワークでの手続きが必要です。
手続きの流れや必要書類を事前に把握しておくことで、スムーズに申請を進めることができます。
ここでは、1年未満で退職した方向けに、申請手続きの流れと必要書類について詳しく解説します。
ハローワークでの申請手続きの流れ
失業保険の申請から受給までの流れは以下のとおりです。
STEP1:離職票を受け取る
退職後、会社から離職票(離職票-1、離職票-2)が届きます。
通常、退職後10日〜2週間程度で届きますが、届かない場合は会社に問い合わせましょう。
STEP2:ハローワークで求職の申込みと受給資格決定
住所地を管轄するハローワークに行き、求職の申込みを行います。
この際、離職票やその他必要書類を提出し、受給資格の審査を受けます。
STEP3:雇用保険説明会への参加
受給資格が決定すると、雇用保険説明会への参加を指示されます。
説明会では、失業保険の仕組みや求職活動の進め方について説明を受けます。
STEP4:7日間の待期期間
受給資格決定日から7日間は「待期期間」となり、この期間は失業保険が支給されません。
この待期期間は、離職理由に関わらず全員に適用されます。
STEP5:失業認定と基本手当の振込み
原則4週間に1回、指定された「認定日」にハローワークに出向き、失業の認定を受けます。
認定を受けると、その期間分の基本手当が指定口座に振り込まれます。
申請に必要な書類一覧
失業保険の申請には、以下の書類が必要です。
| 書類名 | 備考 |
|---|---|
| 離職票-1、離職票-2 | 会社から交付される |
| マイナンバーカード | または個人番号確認書類+身元確認書類(運転免許証等) |
| 証明写真2枚 | 縦3.0cm×横2.4cm(最近のもの) |
| 本人名義の預金通帳 | キャッシュカードでも可 |
| 印鑑 | 認印で可 |
マイナンバーカードがない場合は、通知カードと運転免許証などの身元確認書類の両方が必要です。
特定理由離職者・会社都合を主張する場合の追加書類
特定理由離職者や会社都合退職(特定受給資格者)として認定を受けたい場合は、離職理由を証明する追加書類が必要になることがあります。
| 離職理由 | 必要な追加書類 |
|---|---|
| 病気・ケガ・うつ病・適応障害 | 医師の診断書、主治医の意見書 |
| 家族の介護 | 介護認定通知書、医師の診断書 |
| 解雇・雇止め | 解雇通知書、雇止め通知書、労働契約書 |
| パワハラ・セクハラ | メール・LINE等のスクリーンショット、録音データ、日記・メモ |
| 配偶者の転勤 | 配偶者の辞令、転居が必要であることを証明する書類 |
就職困難者として認定を受けたい場合は、精神障害者保健福祉手帳または医師の意見書が必要です。
医師の意見書は、ハローワークの「みどりの窓口」で専用の用紙をもらい、主治医に記入してもらいます。
離職票がもらえない・届かない場合の対処法
離職票が届かない場合や、会社が発行を拒否する場合の対処法を紹介します。
対処法1:会社に交付を請求する
離職票は、退職者が請求すれば会社は発行する義務があります。
まずは会社の人事担当者に連絡し、離職票の発行を依頼しましょう。
対処法2:ハローワークに相談する
会社が離職票の発行に応じない場合は、ハローワークに相談しましょう。
ハローワークから会社に対して発行の指導を行ってもらうことができます。
対処法3:仮手続きを行う
離職票が届くまでに時間がかかる場合、ハローワークで仮の手続きを行うことができます。
後日、離職票が届いたら改めて正式な手続きを行います。
1年未満退職時の失業保険に関する注意点とよくある誤解
失業保険の制度は複雑で、誤解されている点も少なくありません。
特に2025年4月の法改正により、給付制限期間が変更になっているため、最新の情報を把握しておくことが重要です。
ここでは、1年未満の退職時に特に注意すべき点について解説します。
給付制限期間について(自己都合退職の場合)
自己都合退職の場合、7日間の待期期間に加えて「給付制限期間」が設けられています。
2025年4月の法改正により、給付制限期間が大幅に短縮されました。
| 退職日 | 給付制限期間 |
|---|---|
| 2025年4月1日以降 | 原則1ヶ月 |
| 2025年3月31日以前 | 原則2ヶ月 |
| 5年間で3回以上の自己都合退職 | 3ヶ月 |
| 懲戒解雇(重責解雇) | 3ヶ月 |
出典:厚生労働省「令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できます」
教育訓練を受けると給付制限が解除される制度(2025年4月以降)
2025年4月からは、自ら教育訓練を受講した場合に給付制限が解除される制度が導入されました。
離職日前1年以内または離職後に、教育訓練給付金の対象となる教育訓練等を受講した場合、給付制限なしで失業保険を受給できます。
対象となる教育訓練には、通信講座や資格スクール講座も含まれるため、活用のハードルは比較的低くなっています。
受給期間は離職日の翌日から1年間
失業保険を受け取れる「受給期間」は、離職日の翌日から1年間と定められています。
この期間を過ぎると、たとえ給付日数が残っていても受給できなくなります。
例えば、所定給付日数が90日でも、離職から10ヶ月経過してから手続きを開始すると、残りの受給期間は2ヶ月しかありません。
この場合、90日分すべてを受給することはできず、2ヶ月分(約60日分)しか受け取れないことになります。
失業保険の手続きは、退職後できるだけ早く行うことが重要です。
すぐに働けない場合は受給期間延長申請を
病気やケガ、妊娠・出産・育児・介護などの理由で30日以上働けない場合は、受給期間の延長申請ができます。
受給期間延長の対象となるケース
- 病気・ケガで療養が必要な場合(最大3年間延長)
- 妊娠・出産・育児のため働けない場合(最大3年間延長)
- 親族の介護が必要な場合(最大3年間延長)
- 60歳以上の定年退職で休養を希望する場合(最大1年間延長)
延長申請は、働けなくなった日の翌日から30日経過後、早めに行う必要があります。
うつ病などですぐに働けない状態にある場合は、傷病手当金を受給しながら受給期間を延長し、回復後に失業保険を受給するという方法もあります。
失業保険をもらいながらアルバイトは可能?
失業保険を受給しながらアルバイトをすることは、条件付きで認められています。
| 1日の労働時間 | 取り扱い | 失業保険への影響 |
|---|---|---|
| 4時間未満 | 内職・手伝い | 収入に応じて減額支給 |
| 4時間以上 | 就労日 | その日の基本手当は支給先送り |
| 週20時間以上・長期継続 | 就職 | 受給資格を失う可能性あり |
アルバイトをする場合は、収入の有無にかかわらず、必ずハローワークに申告する必要があります。
申告せずにアルバイト収入を得ていた場合、不正受給として給付金の返還を求められる可能性があります。
年金との併給調整について
65歳未満で特別支給の老齢厚生年金を受給している方は、失業保険との同時受給ができません。
失業保険を受給すると、その期間中は老齢厚生年金が全額停止となります。
どちらを受給するかは、金額や受給期間を比較して検討する必要があります。
一般的に、失業保険の方が日額が高い場合は失業保険を選択し、年金の方が有利な場合は失業保険を受給しないという選択肢もあります。
失業保険が受給できない場合に活用できる支援制度
失業保険の受給資格を満たさない場合でも、活用できる支援制度があります。
経済的な不安を軽減するために、他の制度についても把握しておきましょう。
傷病手当金(健康保険)
傷病手当金は、病気やケガで働けない場合に健康保険から支給される給付金です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 支給額 | 標準報酬日額の約3分の2 |
| 支給期間 | 最長1年6ヶ月(通算) |
| 対象者 | 健康保険の被保険者で、連続3日以上働けない状態にある方 |
うつ病などで退職前から働けない状態にあった場合、在職中から傷病手当金を受給し、退職後も継続して受給することができます。
ただし、傷病手当金と失業保険は同時に受給することはできません。
傷病手当金を受給しながら、失業保険の受給期間を延長し、回復後に失業保険を受給するという方法が一般的です。
求職者支援制度(職業訓練受講給付金)
求職者支援制度は、雇用保険を受給できない方向けの支援制度です。
厚生労働省によると、月額10万円の生活支援の給付金を受給しながら、無料の職業訓練を受講することができます。
| 手当の種類 | 金額 |
|---|---|
| 職業訓練受講手当 | 月額10万円 |
| 通所手当 | 上限42,500円/月 |
| 寄宿手当 | 10,700円/月(該当者のみ) |
受給要件(主なもの)
- ハローワークに求職の申込みをしていること
- 雇用保険被保険者や雇用保険受給資格者でないこと
- 本人収入が月8万円以下
- 世帯全体の収入が月30万円以下(事前審査では前年収入300万円以下)
- 世帯全体の金融資産が300万円以下
- 訓練実施日に全て出席できること
出典:厚生労働省「求職者支援制度のご案内」
国民健康保険料の軽減制度
特定受給資格者・特定理由離職者として認定された方は、国民健康保険料の軽減措置を受けることができます。
軽減措置の内容
離職日の翌日からその月の属する月以後2年間、前年の給与所得を100分の30として算定します。
つまり、実際の所得の30%で保険料が計算されるため、大幅な軽減となります。
軽減を受けるためには、お住まいの市区町村の国民健康保険窓口で届出が必要です。
届出の際は、雇用保険受給資格者証など、特定受給資格者・特定理由離職者であることを証明する書類が必要になります。
再就職手当・就業促進定着手当
早期に再就職した場合は、失業保険の残日数に応じて「再就職手当」を受給できます。
| 残日数 | 支給額 |
|---|---|
| 所定給付日数の3分の2以上 | 基本手当日額 × 支給残日数 × 70% |
| 所定給付日数の3分の1以上 | 基本手当日額 × 支給残日数 × 60% |
また、再就職後に離職前の賃金より低い賃金で働いている場合は、「就業促進定着手当」を受給できる可能性があります。
早期の再就職を目指している方は、これらの手当も含めて検討してみてください。
よくある質問(FAQ)
失業保険に関してよく寄せられる質問について、Q&A形式で回答します。
Q1. 入社1年未満でも失業手当は受け取れますか?
A. 会社都合退職や特定理由離職者に該当すれば、6ヶ月以上の被保険者期間で受給可能です。
通常の自己都合退職の場合は12ヶ月以上の被保険者期間が必要ですが、以下のケースでは6ヶ月以上で受給できます。
- 会社都合退職(特定受給資格者)に該当する場合
- 特定理由離職者に該当する場合(病気、介護、契約更新拒否など)
- 就職困難者に該当する場合
- 前職の雇用保険加入期間と通算できる場合
Q2. 失業保険は何ヶ月働けば受給資格を得られますか?
A. 退職理由によって異なります。
| 退職理由 | 必要な被保険者期間 |
|---|---|
| 自己都合退職 | 離職前2年間で12ヶ月以上 |
| 会社都合・特定理由離職者 | 離職前1年間で6ヶ月以上 |
| 就職困難者 | 離職前1年間で6ヶ月以上 |
Q3. 退職後1年間働いてからでも失業保険の申請はできますか?
A. 受給期間は離職日の翌日から1年間のため、1年後では原則受給できません。
失業保険の受給期間は離職日の翌日から1年間と定められています。
この期間を過ぎると、給付日数が残っていても受給することはできません。
ただし、病気やケガ、妊娠・出産・育児・介護などで働けなかった場合は、受給期間の延長申請(最大3年間)が可能です。
Q4. 新卒で3ヶ月で辞めた場合、失業保険はもらえますか?
A. 被保険者期間が6ヶ月未満のため、原則として受給できません。
特定受給資格者や特定理由離職者であっても、最低6ヶ月以上の被保険者期間が必要です。
ただし、前職がある場合は被保険者期間を通算できる可能性があります。
大学時代にアルバイトで雇用保険に加入していた場合など、その期間と合算して6ヶ月以上になれば受給できる可能性があります。
Q5. 雇用保険に1年未満しか加入していませんが離職票は発行されますか?
A. 1年未満でも離職票は発行されます。
離職票は、雇用保険の加入期間に関わらず発行されます。
1年未満であっても、特定理由離職者や特定受給資格者に該当する可能性があるため、必ず離職票を受け取って確認しましょう。
会社が発行を拒否する場合は、ハローワークに相談すれば指導してもらえます。
Q6. 自己都合退職でもすぐに失業保険をもらう方法はありますか?
A. 特定理由離職者に該当するか、教育訓練を受講すれば給付制限なしで受給できます。
2025年4月以降、以下の方法で給付制限を回避できます。
- 特定理由離職者として認定を受ける(病気、介護、配偶者の転勤など)
- 離職前1年以内または離職後に教育訓練給付金対象の講座を受講する
教育訓練を受講する場合、通信講座や資格スクール講座も対象となるため、比較的活用しやすい制度です。
まとめ
1年未満の退職でも、条件を満たせば失業保険を受給できることがおわかりいただけたでしょうか。
- 会社都合退職・特定理由離職者・就職困難者は、6ヶ月以上の被保険者期間で受給可能
- 前職の雇用保険加入期間と通算することで、受給資格を満たせる場合がある
- うつ病やパワハラで退職した場合は、適切な手続きで有利な条件で受給できる
- 2025年4月以降、自己都合退職の給付制限期間は1ヶ月に短縮
- 教育訓練を受講すれば、給付制限なしで失業保険を受給できる
- 失業保険を受給できない場合も、傷病手当金や求職者支援制度を活用できる
退職を考えている方、すでに退職した方は、まずご自身がどの受給資格に該当するかを確認することが大切です。
離職理由や被保険者期間、健康状態によって、最適な受給方法は異なります。
「自分の場合はどうなるのか」「どの制度を使えばいいのか」わからない方は、専門家への相談をおすすめします。
マルナゲでは、失業保険や傷病手当金など、退職後に受給できる給付金について無料相談を受け付けています。
ひとりで悩まず、まずはお気軽にご相談ください。

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