特定理由離職者は診断書なしで認定される?必要なケースと証明書類を解説

「体調不良で退職したけど、特定理由離職者として認めてもらえるのかな」

「診断書がないと失業保険の給付制限は免除されないの?」

退職後の生活を支える失業保険。

できれば早く受給を開始したいと考えるのは当然のことです。

結論からお伝えすると、特定理由離職者の認定に診断書が必須というわけではありません

ただし、状況によっては提出を求められるケースもあるため、事前に準備しておくと安心です

この記事では、元ハローワーク相談員としての経験をもとに、どんな場合に診断書が必要になるのか、診断書以外で使える証明書類にはどのようなものがあるのかを詳しく解説していきます。

最後まで読んでいただければ、ハローワークでの手続きに自信を持って臨めるようになるはずです。

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目次

特定理由離職者に診断書は本当にいらないのか?結論から解説

インターネット上では「特定理由離職者の認定に診断書は不要」という情報を目にすることがあります。

確かに、法律上は診断書の提出が義務付けられているわけではありません

しかし実際の窓口対応では、離職理由や状況に応じて診断書を求められることがあるのも事実です

この章で解説するのは、診断書が「原則不要」と言い切れない理由、診断書なしで認定される具体的なケース、そして診断書を求められる3つのパターンについてです。

順番に見ていきましょう。

【結論】診断書が不要なケースと必要なケースがある

特定理由離職者として認定されるかどうかは、主に離職票の記載内容によって判断されます

そのため、離職票に正当な離職理由が明確に記載されていれば、診断書がなくても認定されるケースは多いです

一方で、「原則不要」と言い切れない理由もいくつか存在します。

診断書の要否を左右する要素としては、離職票の記載内容が具体的かどうか、会社と本人の認識が一致しているか、そしてハローワークの地域ごとの運用方針が挙げられます。

これらの要素が揃っているかどうかで、診断書の必要性が変わってきます。

まず、ハローワークごとに運用が異なる点について説明します。

全国のハローワークは厚生労働省の管轄下にありますが、窓口での対応基準には地域差があるのが実情です

ある地域では口頭説明だけで認定されても、別の地域では追加書類を求められることがあります。

また、離職理由によっても判断が分かれます

状況診断書の要否備考
離職票に理由が明記原則不要会社と本人の認識が一致していれば問題なし
離職票の記載が曖昧必要になる可能性あり補強資料として求められることがある
会社と主張が異なる必要客観的な証拠として重要
受給期間延長の申請時必要現在の傷病状態を証明するため

上の表からわかるように、体調不良による退職と家族の介護による退職では、必要となる証明書類の種類が異なります

自分の状況がどのケースに該当するのかを事前に確認しておくことが、スムーズな手続きにつながります。

診断書なしで認定されるのはどんな場合か

診断書を提出しなくても特定理由離職者として認められるケースには、いくつかの共通点があります

もっとも典型的なのは、離職票に会社側が正当な理由を記載しているケースです。

例えば、離職票の離職理由欄に「身体の傷病による離職」や「妊娠・出産等による離職」といった具体的な内容が記載されていれば、その時点で特定理由離職者の要件を満たしていると判断されやすくなります

診断書なしで認定されやすい条件を整理すると以下のとおりです。

  • 離職票の離職理由欄に「傷病」「介護」など具体的な記載があること
  • 会社側が特定理由離職者に該当する理由コードを選択していること
  • 退職時に会社と離職理由について合意していること
  • ハローワークでの面談で経緯を明確に説明できること

これらの条件が揃っていれば、追加書類なしで認定される可能性が高まります

次に重要なのが、離職理由について会社と本人の認識が一致していることです。

離職票には会社が記載する欄と本人が署名する欄があり、双方の主張が一致していれば追加の証明を求められる可能性は低くなります

また、口頭説明で状況が十分に伝わる場合も、診断書なしで認定されることがあります。

ハローワークの窓口では、担当者が離職の経緯について詳しく聞き取りを行います。

このとき、退職に至った理由や当時の状況を具体的かつ明確に説明できれば、書類がなくても認定に至るケースは珍しくありません

逆に言えば、説明が曖昧だったり、離職票の記載と矛盾があったりすると、診断書などの追加書類を求められる可能性が高くなります。

診断書を求められるのはどんな場合か

一方で、診断書の提出が必要となるケースも存在します

まず、離職票の記載が曖昧なケースについて説明します。

会社によっては、退職理由を「一身上の都合」や「自己都合」としか記載しないことがあります。

このような場合、本当に体調不良が原因だったのかを証明するために、診断書の提出を求められる可能性が高くなります

診断書を求められる主なケースは以下のとおりです。

  • 離職票に「自己都合」としか記載されていない場合
  • 会社が離職理由について異なる認識を持っている場合
  • ハローワークの担当者が追加資料を必要と判断した場合
  • 受給期間延長や就職困難者の認定を申請する場合
  • 傷病手当金から失業保険へ切り替える場合

これらのケースに該当する方は、事前に診断書を準備しておくことをおすすめします

また、会社と離職者で主張が異なるケースも注意が必要です。

例えば、本人は「体調不良で働けなくなった」と主張しているのに、会社は「本人の意思による退職」と認識しているような場合です。

ケース診断書が必要な理由対処法
離職票の記載が曖昧離職理由を客観的に証明するため退職前に会社と記載内容を確認
会社と認識が異なる第三者的な証拠が必要なため通院記録や診断書を準備
受給期間延長申請現在の傷病状態を証明するため医師に診断書を依頼
傷病手当金からの切替就労可能になったことを証明するため回復を証明する診断書を取得

このような認識の相違がある場合、ハローワークは客観的な証拠として診断書を求めることがあります

さらに、受給期間延長や就職困難者の申請を行う場合は、診断書が必要になることが多いです。

これらの申請は、現在の傷病状態を証明する必要があるため、医師の診断書が求められるのが一般的です

そもそも特定理由離職者とは?対象者の範囲を確認

特定理由離職者という言葉を聞いたことはあっても、具体的にどのような人が該当するのかわからないという方も多いのではないでしょうか

失業保険の制度を正しく活用するためには、まず自分がどの区分に該当するのかを理解することが大切です

この章では、特定理由離職者の定義や対象者の範囲について、わかりやすく解説していきます。

特定理由離職者の定義と2つの区分

特定理由離職者とは、雇用保険法に基づいて定められた離職者の区分のひとつです

厚生労働省の定義によると、特定理由離職者は大きく2つのカテゴリーに分けられます

区分内容具体例
正当な理由のある自己都合退職やむを得ない事情で自ら退職体調不良、家族の介護、配偶者の転勤など
有期雇用契約の雇止め契約更新を希望したが更新されなかった契約社員・パートの雇止め

ひとつめは「正当な理由のある自己都合退職」です。

これは、体調不良や家庭の事情など、やむを得ない理由で自ら退職を選択したケースを指します。

ふたつめは「有期雇用契約の雇止めによる離職」です。

契約社員やパートなど、期間の定めがある雇用契約を結んでいた人が、契約更新を希望したにもかかわらず更新されなかった場合がこれに該当します。

似た区分に「特定受給資格者」がありますが、こちらは倒産や解雇など、会社都合で離職した人を対象としています

特定理由離職者と特定受給資格者は給付面で優遇される点は共通していますが、認定基準が異なるため注意が必要です

厚生労働省「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準」

「特定理由離職者とは、期間の定めのある労働契約の期間が満了し、かつ、当該労働契約の更新がないことにより離職した者(その者が当該更新を希望したにもかかわらず、当該更新についての合意が成立するに至らなかった場合に限る。)及び正当な理由のある自己都合により離職した者をいう。」

引用元:https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000147318.pdf

この定義からわかるように、単なる自己都合退職ではなく「正当な理由がある」ことが認定の条件となっています

体調不良・病気で退職した人は該当するのか

体調不良や病気を理由に退職した場合、特定理由離職者に該当する可能性があります

ただし、すべての傷病が認められるわけではなく、いくつかの条件を満たす必要があります

身体的な疾患の場合、腰痛や持病の悪化など、業務の継続が困難になるほどの症状であれば認定の対象となりえます

疾患の種類認定されやすい状況
腰痛・関節痛業務(立ち仕事・重量物の運搬など)が症状を悪化させる場合
うつ病・適応障害医師から休養が必要と診断され、業務継続が困難な場合
内臓疾患・慢性病治療に専念する必要があり、フルタイム勤務が困難な場合
視力・聴力の低下業務遂行に支障をきたすレベルの機能低下がある場合

例えば、長時間の立ち仕事で腰痛が悪化し、医師から業務継続が難しいと診断された場合などが典型的です

精神的な疾患についても、うつ病や適応障害などで退職を余儀なくされた場合は、特定理由離職者として認定される可能性があります

近年は精神疾患を理由とした離職が増加しており、ハローワークでもこうしたケースへの対応が進んでいます

重要なのは、業務内容と症状の関係性です

その仕事を続けることで症状が悪化する、または回復の見込みがないといった状況であれば、正当な離職理由として認められやすくなります。

単に「体調が悪い」というだけではなく、「この仕事を続けることが困難だった」という点を説明できることが重要です

その他の正当な理由として認められるケース

体調不良以外にも、特定理由離職者として認められる「正当な理由」があります

代表的なものとして、家族の介護・看護が必要になったケースが挙げられます。

両親や配偶者に介護が必要となり、仕事と両立できなくなった場合は、やむを得ない離職として認められます。

厚生労働省が示す「正当な理由」の主な例は以下のとおりです。

  • 体力の不足や心身の障害、疾病、負傷、視力・聴力・触覚の減退等により離職した者
  • 妊娠・出産・育児等により離職し受給期間延長措置を受けた者
  • 父または母の死亡や疾病、負傷等のため父または母を扶養するために離職を余儀なくされた者
  • 配偶者または扶養すべき親族と別居生活を続けることが困難となったことにより離職した者
  • 通勤不可能または困難となったことにより離職した者
  • 希望退職者の募集に応じて離職した者

これらに該当するかどうかを確認しておきましょう。

また、配偶者の転勤で通勤が困難になった場合も正当な理由に該当します。

転勤に帯同するために退職せざるを得ないケースは、本人の意思ではコントロールできない事情として考慮されます

妊娠・出産・育児も正当な理由として認められることがあります。

ただし、出産や育児を理由に退職した場合は、すぐに働ける状態ではないことも多いため、受給期間延長の申請と組み合わせて検討することをおすすめします

離職理由必要になりやすい証明書類
体調不良・傷病診断書、通院記録、休職証明書
家族の介護介護認定証のコピー、医師の意見書
配偶者の転勤転勤辞令のコピー、転居を証明する書類
妊娠・出産母子手帳のコピー
通勤困難通勤経路・時間を証明する書類

受給期間延長とは、本来は離職日の翌日から1年間である失業保険の受給期間を、最大4年間まで延長できる制度です

すぐに求職活動ができない状況にある方は、この制度を活用することで、働ける状態になってから失業保険を受け取ることができます

特定理由離職者の証明方法|診断書以外に使える書類一覧

診断書がなくても、他の書類で離職理由を証明できるケースは多くあります

この章では、特定理由離職者として認定されるために有効な証明書類について詳しく解説します。

事前にどのような書類が必要になるか把握しておけば、スムーズに手続きを進めることができます

離職票が最も重要な証明書類になる理由

特定理由離職者の認定において、最も重要な書類は離職票です

離職票には「離職理由欄」があり、ここに記載された内容がハローワークの判断基準となります

離職票は2種類あり、「離職票-1」には被保険者番号や資格取得年月日などの基本情報が、「離職票-2」には離職理由や賃金支払状況などが記載されています。

項目内容チェックポイント
事業主記入欄会社が離職理由を記載「傷病」「介護」など具体的な理由が書かれているか
離職者記入欄本人が異議の有無を記載会社の記載に同意できるか確認
離職区分給付内容を決めるコード2C・3Cなら特定理由離職者

特定理由離職者の認定に関係するのは主に「離職票-2」です。

離職票-2には会社側が記載する「事業主記入欄」と、離職者本人が署名する「離職者記入欄」があります。

事業主記入欄では、会社が離職理由を選択肢から選んで記載します

一方、離職者記入欄では、本人がその記載内容に異議があるかどうかを記入することになっています

また、離職理由には「離職区分」というコードが付与され、これによって給付内容が決まります。

離職区分該当する離職者給付制限
1A・1B特定受給資格者(倒産・解雇など)なし
2C・3C特定理由離職者なし
4D・5E一般の離職者(自己都合など)2ヶ月

特定理由離職者に該当する場合は、離職区分が「2C」または「3C」などのコードになります

この離職区分は、ハローワークでの最終判定によって決まるため、離職票の記載内容が非常に重要になってくるのです

診断書の代わりになり得る証明書類とは

診断書以外にも、離職理由を裏付ける書類として認められるものがあります

ひとつめは通院履歴・受診記録です。

医療機関を受診した際の領収書や診察券のコピー、お薬手帳の記録などが該当します。

書類の種類入手先証明できる内容
通院履歴・領収書医療機関継続的に治療を受けていた事実
お薬手帳のコピー薬局・自分で保管服薬治療を受けていた事実
休職証明書会社の人事部門退職前に休職していた事実
休職願のコピー自分で保管休職を申請した経緯
メールのやりとり自分で保管体調について会社と相談した経緯
面談記録会社または自分で作成退職に至るまでの経緯

これらは、退職前から継続的に治療を受けていたことを示す証拠となります

ふたつめは休職証明書・休職願のコピーです。

退職前に休職していた場合、その事実を証明する書類は有力な証拠になります。

会社から発行される休職証明書や、自分が提出した休職願のコピーを保管しておくと安心です

みっつめは会社との面談記録やメールのやりとりです。

体調不良について上司や人事担当者と相談した際のメールや、面談の記録があれば、退職に至る経緯を客観的に説明できます。

これらの書類は、離職票の記載内容を補強する資料として活用できるため、退職前に準備しておくことをおすすめします

特に、会社とのやりとりを記録したメールは削除せずに保存しておきましょう

診断書が必要と言われたときの取得方法と費用

ハローワークから診断書の提出を求められた場合、どのように取得すればよいのでしょうか

取得先としては、かかりつけ医や専門の医療機関が一般的です

体調不良の原因が身体的な疾患であれば内科や整形外科、精神的な疾患であれば心療内科や精神科で診断書を発行してもらえます。

診断書の種類費用の目安特徴
簡易的な診断書3,000円〜5,000円病名と簡単な症状のみ記載
詳細な診断書5,000円〜10,000円症状の経過や業務への影響も記載
特殊な様式の診断書10,000円以上指定の書式に記載が必要な場合

診断書の費用は医療機関によって異なりますが、一般的には3,000円から10,000円程度が目安となります

簡易的な診断書であれば3,000円前後、詳細な記載が必要な場合は5,000円以上かかることもあります。

診断書を依頼する際は、記載してもらうべき内容を事前に確認しておくことが大切です

具体的には以下の内容が含まれていると、ハローワークでの審査がスムーズに進みます。

  • 病名だけでなく症状の程度や業務への影響
  • いつから症状があったか(発症時期)
  • 就労が困難であった期間
  • 「就労困難」「業務継続が難しい」などの表現

不明な点があれば、ハローワークの窓口で「どのような内容の診断書が必要か」を確認してから医療機関を受診することをおすすめします

ハローワークでの認定手続きの流れと診断書の出番

実際にハローワークで特定理由離職者として認定を受けるには、どのような手続きが必要なのでしょうか

この章では、求職申込みから受給資格決定までの流れを詳しく解説します。

どのタイミングで診断書が必要になる可能性があるのかも合わせて説明しますので、参考にしてください

求職申込みから受給資格決定までのステップ

失業保険を受給するためには、まずハローワークで求職の申込みを行う必要があります

手続きの第一歩は、離職票を持参してハローワークへ行くことです。

離職票は退職後に会社から届くもので、通常は退職日から10日以内に届きます。

届かない場合は会社に問い合わせるか、ハローワークに相談しましょう

ステップ内容所要時間の目安
1離職票と必要書類を持ってハローワークへ
2求職申込み・離職票の提出30分〜1時間
3離職理由の聴取(面談)15分〜30分
4離職理由の判定即日〜数日
5受給資格者証の発行・待期期間開始7日後から受給開始

ハローワークに到着したら、まず求職申込みの手続きを行います

この際、離職票の内容確認と離職理由の聴取が行われます。

離職理由の聴取では、担当者との面談形式で退職に至った経緯を説明することになります

持参すべき書類は以下のとおりです。

  • 離職票-1と離職票-2
  • 本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)
  • 写真2枚(縦3cm×横2.4cm)
  • 印鑑
  • 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード

忘れ物がないよう、事前に確認しておきましょう

この面談の結果と離職票の記載内容をもとに、ハローワークが離職理由を判定します

判定の結果、特定理由離職者として認められれば、受給資格者証が発行されます

受給資格者証には、給付日数や基本手当日額などの重要な情報が記載されていますので、大切に保管してください。

聴取の場で聞かれること・答え方のコツ

離職理由の聴取では、担当者から具体的な質問を受けることになります

体調不良による退職の場合、よく聞かれるのは「いつから体調が悪くなったか」という時期についての質問です

質問内容回答のポイント
いつから体調が悪くなったか具体的な時期を答える(「〇月頃から」など)
どのような症状があったか業務への影響と関連づけて説明する
通院はしていたか通院していた場合は頻度や期間も伝える
退職以外の選択肢を検討したか配置転換や休職を検討・相談した事実があれば伝える
今は働ける状態か正直に答える(療養が必要なら受給期間延長を検討)

退職の数ヶ月前から症状があったのか、それとも突然発症したのかによって、判断が変わる可能性があります

また、「どのような症状で業務に支障が出たか」も重要なポイントです

具体的にどのような業務ができなくなったのか、症状と仕事内容の関係を明確に説明できると、認定されやすくなります

さらに、「退職以外の選択肢を検討したか」についても聞かれることがあります。

配置転換や時短勤務など、退職を回避するための努力をしたかどうかも判断材料となります

答え方のコツとしては、事実を時系列に沿って具体的に説明することが大切です

感情的にならず、淡々と事実を伝えることで、担当者も状況を理解しやすくなります。

診断書が後から必要になるパターンに注意

初回の手続き時点では診断書が不要でも、後から提出を求められるケースがあります

ひとつめは、離職理由に異議が出た場合です。

例えば、会社に離職理由を確認した結果、本人の主張と食い違いがあった場合には、客観的な証拠として診断書を求められることがあります

段階状態必要な手続き
療養中働けない状態傷病手当金を受給、受給期間延長を申請
回復期働ける状態に回復医師から就労可能の診断を受ける
切り替え求職活動が可能ハローワークで失業保険の手続きを開始

ふたつめは、ハローワークから追加資料を求められた場合です。

面談だけでは判断が難しいと担当者が判断した場合、後日改めて診断書や通院記録の提出を依頼されることがあります。

みっつめは、傷病手当金との切り替え時です。

傷病手当金を受給していた方が、回復後に失業保険へ切り替える場合、働ける状態に回復したことを証明するための診断書が必要になることがあります

このように、診断書が後から必要になるケースとしては以下のようなものがあります。

  • 会社への確認で離職理由に食い違いが判明した場合
  • ハローワークの担当者が追加の証拠書類を必要と判断した場合
  • 傷病手当金から失業保険へ切り替える際に就労可能証明が必要な場合
  • 受給期間延長の申請を行う場合
  • 就職困難者の認定を希望する場合

手続きの途中で診断書が必要になる可能性があるため、通院していた方は医師に相談しておくと安心です

特定理由離職者として認定されるメリット4つ

特定理由離職者として認定されると、一般の自己都合退職者と比べて複数のメリットを受けることができます

退職後の生活を支える重要な優遇措置ですので、しっかり理解しておきましょう

給付制限(2ヶ月)が免除される

特定理由離職者として認定される最大のメリットは、給付制限が免除されることです。

通常の自己都合退職の場合、失業保険を受け取るまでに2ヶ月間の給付制限期間があります

区分給付開始までの期間具体的なスケジュール例
一般の自己都合退職待期7日+給付制限2ヶ月退職後約2ヶ月半後から受給開始
特定理由離職者待期7日のみ退職後約1週間後から受給開始
特定受給資格者待期7日のみ退職後約1週間後から受給開始

この期間中は失業保険を受給できないため、退職後の生活設計に大きな影響を与えます

一方、特定理由離職者は給付制限が免除されるため、7日間の待期期間終了後から受給を開始できます

待期期間とは、すべての離職者に共通して設けられている期間で、この7日間は失業状態にあることを確認するための期間です

給付制限がなくなることで、収入が途絶えてから失業保険を受け取るまでの空白期間を大幅に短縮できます

退職後すぐに収入がなくなる不安を抱えている方にとって、この違いは非常に大きいと言えるでしょう。

被保険者期間6ヶ月以上で受給資格を得られる

通常の自己都合退職の場合、失業保険を受給するには離職前2年間で12ヶ月以上の被保険者期間が必要です

しかし特定理由離職者の場合、離職前1年間で6ヶ月以上の被保険者期間があれば受給資格を得ることができます

区分必要な被保険者期間算定期間
一般の自己都合退職12ヶ月以上離職前2年間
特定理由離職者6ヶ月以上離職前1年間
特定受給資格者6ヶ月以上離職前1年間

この条件緩和は、短期間で退職せざるを得なかった方にとって大きなメリットです

例えば、入社して半年で体調を崩してしまった場合でも、特定理由離職者として認定されれば失業保険を受け取れる可能性があります

被保険者期間とは、雇用保険に加入していた期間のうち、賃金支払の基礎となった日数が11日以上ある月を指します

短期離職であっても受給できる可能性があることを覚えておいてください。

国民健康保険料の軽減措置を受けられる

特定理由離職者は、国民健康保険料の軽減措置を受けることができます

退職後に国民健康保険へ加入する場合、保険料は前年の所得をもとに計算されます。

しかし特定理由離職者として認定されると、前年所得を30%として計算してもらえるため、保険料が大幅に安くなります

項目内容
軽減内容前年所得を30%として保険料を計算
対象者特定理由離職者・特定受給資格者
軽減期間離職日の翌日から翌年度末まで
申請先お住まいの市区町村の国民健康保険窓口
必要書類受給資格者証のコピー、本人確認書類

例えば、前年の給与所得が300万円だった場合、通常はこの300万円をもとに保険料が算出されます

軽減措置を適用すると90万円として計算されるため、保険料負担を大きく抑えることができます

この軽減措置を受けるには、お住まいの市区町村の国民健康保険窓口で申請を行う必要があります

申請時には、ハローワークで発行された受給資格者証のコピーが必要となりますので、準備しておきましょう。

自動的に適用されるわけではないため、忘れずに申請することが大切です

雇止めの場合は給付日数も優遇される

有期雇用契約の雇止めで特定理由離職者となった場合は、給付日数についても優遇措置があります

この場合、特定受給資格者と同等の給付日数が適用されます

通常の自己都合退職では、年齢に関係なく被保険者期間に応じて90日から150日の給付となります。

年齢1年未満1年以上5年未満5年以上10年未満10年以上20年未満20年以上
30歳未満90日90日120日180日
30歳以上35歳未満90日120日180日210日240日
35歳以上45歳未満90日150日180日240日270日
45歳以上60歳未満90日180日240日270日330日
60歳以上65歳未満90日150日180日210日240日

しかし雇止めによる特定理由離職者の場合、年齢と被保険者期間に応じて最大330日まで給付を受けられる可能性があります

特に45歳以上60歳未満で被保険者期間が20年以上ある方は、330日間の給付を受けることができます

ただし、正当な理由のある自己都合退職(体調不良など)の場合は、この給付日数の優遇は適用されない点に注意が必要です

自分がどちらの区分に該当するのか、事前に確認しておきましょう。

特定理由離職者の認定で押さえるべき注意点3つ

特定理由離職者として認定されるためには、いくつか注意しておくべきポイントがあります

事前に把握しておくことで、スムーズに手続きを進めることができます

会社との離職理由のすり合わせは退職前に行う

特定理由離職者として認定されるかどうかは、離職票の記載内容に大きく左右されます

そのため、退職前に会社と離職理由についてすり合わせを行っておくことが非常に重要です

やるべきこと具体的な内容タイミング
人事担当者への相談離職票の記載内容について確認退職届提出前
記載内容の依頼「傷病による離職」など具体的な理由を記載してもらうよう依頼退職届提出時
証拠書類の提示診断書や通院記録を会社に見せる必要に応じて
離職票の確認届いた離職票の記載内容をチェック離職票受領時

退職前に人事担当者と確認すべきことは、離職票の離職理由欄にどのように記載するかという点です

「自己都合」ではなく「身体の傷病による離職」など、具体的な理由を記載してもらえるよう依頼しましょう

曖昧な表現を避けてもらうためには、体調不良で退職することを正式に伝え、可能であれば診断書や通院記録を会社に提示するのも有効です

会社によっては、すべての退職を「自己都合」として処理するところもありますので、事前の相談が欠かせません。

退職後に離職票の記載を変更してもらうのは難しいため、退職前の段階で対応しておくことをおすすめします

傷病手当金を受給中の人は併給できない

傷病手当金と失業保険は、同時に受給することができません

傷病手当金は、病気やケガで働けない期間中に健康保険から支給される手当です

一方、失業保険は「働ける状態にあるが、仕事が見つからない」という方を対象としています

項目傷病手当金失業保険
対象者働けない状態の人働ける状態で求職中の人
支給元健康保険雇用保険
支給期間最長1年6ヶ月90〜330日(条件による)
支給額標準報酬日額の約3分の2賃金日額の50〜80%

つまり、傷病手当金を受給している時点では「働けない状態」とみなされるため、失業保険の受給条件を満たさないのです

現在も療養が必要な状態であれば、失業保険の受給期間延長を検討しましょう

受給期間延長を申請しておけば、傷病が回復して働ける状態になってから失業保険を受け取ることができます。

切り替えのタイミングとしては、医師から「就労可能」と判断された時点で、傷病手当金から失業保険への移行手続きを行うのが一般的です

どちらを選ぶべきか迷った場合は、ハローワークや健康保険組合に相談してみてください。

認定されても求職活動実績は必要になる

特定理由離職者として認定されても、失業保険を受給し続けるためには求職活動実績が必要です

失業保険は「働ける状態」であることが前提となっています

そのため、4週間に1度の失業認定日にハローワークを訪れ、その間に行った求職活動を報告する必要があります

認められる求職活動具体例
求人への応募ハローワークや求人サイトからの応募
職業相談ハローワークでの相談
セミナー参加就職支援セミナー、職業訓練の説明会
資格試験の受験就職に関連する資格の受験
民間サービスの利用転職エージェントとの面談

求職活動実績として認められるのは、求人への応募、ハローワークでの職業相談、就職セミナーへの参加などです

もし現在も療養が必要で、すぐには働けない状態であれば、受給期間延長の申請を行いましょう

延長申請をしておけば、求職活動ができる状態になるまで受給期間を延ばすことができます

体調が万全でないまま無理に求職活動を行うと、かえって回復が遅れる可能性もありますので、自分の状態に合った選択をすることが大切です。

よくある質問

Q. 特定理由離職者になるには診断書は必要ですか?

A. 原則として、特定理由離職者の認定は離職票の記載内容によって判断されるため、診断書が必須ではありません

ただし、離職票の記載が曖昧だったり、会社と離職者で主張が異なったりする場合は、診断書を求められることがあります

ケース診断書の必要性
離職票に明確な理由記載あり不要なことが多い
離職票の記載が曖昧求められる可能性あり
会社と認識が異なる必要になることが多い

スムーズに認定を受けるためには、退職前に会社と離職理由についてしっかりすり合わせておくことが重要です

Q. 体調不良で退職したら自動的に特定理由離職者になれますか?

A. 体調不良で退職したからといって、自動的に特定理由離職者として認定されるわけではありません

認定を受けるには、離職票に正当な離職理由が記載されていることと、ハローワークでの審査を通過することが必要です

認定に必要な条件は以下のとおりです。

  • 離職票への適切な離職理由の記載
  • ハローワークでの面談・聴取
  • 必要に応じた補強書類の提出

これらをクリアする必要があります。

離職票の記載内容次第では、一般の自己都合退職として扱われてしまう可能性もあるため、退職前の準備が欠かせません

Q. ハローワークで特定理由離職者と認定されるには診断書がいりますか?

A. 必須ではありませんが、状況によっては診断書を求められることがあります

特に、会社との認識の相違がある場合や、離職票の記載だけでは判断が難しい場合は、客観的な証拠として診断書の提出を依頼されることがあります

状況診断書の扱い
離職票の記載が明確基本的に不要
追加の証明が必要診断書を求められることがある
受給期間延長申請時必要になることが多い

通院していた方は、念のため診断書を取得できるよう医師に相談しておくと安心です

Q. 特定理由離職者であることをどうやって証明すればいいですか?

A. 基本的には離職票の記載内容が証明となります

離職票に体調不良や家族の介護など、正当な離職理由が明記されていれば、それが特定理由離職者であることの証拠となります

補強資料として使える書類は以下のとおりです。

  • 通院履歴・医療機関の領収書
  • お薬手帳のコピー
  • 診断書
  • 休職証明書・休職願のコピー
  • 会社とのメールのやりとり

これらを準備しておくと安心です。

必要に応じて、通院履歴・診断書・休職証明書などを補強資料として提出することで、より確実に認定を受けることができます

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